ゴースト×ゴースト短編小説、創造神は

はーい!今日は頑張って書きました(。-_-。)
エグゼ目線でーす!今のシリーズで彼目線慣れました\(//∇//)\
でもヒトガミが一度目の神様達にとってなんなのかよく分かんなかったんで難しかったです(/ _ ; )
ラグナがどんな奴かもちょっと分かる話になってるんで…まあ見てってくだせぇ!
では、どーぞ!



私は最近よく働くと、自分でも思う。
三度目の邪神と創造神を見つけ出すのは私だし、結局あの紅い子を神にしたのも私だった。
あまり好きな仕事ではないんだけど、三度目の世界を創り上げるには必要不可欠なことで、ローゼの機嫌をとるにも必要不可欠なことだ。

退屈凌ぎに降りた二度目の世界も想像したより面白いが、一度目ほど熱中出来ることもないし、流石にそろそろ自分という存在に飽きが回ってきた頃かもしれない。
だがこればかりはどうしようもなく、自分の存在は受け入れてやることしか出来なかった。

そんなどうにもならないことを考えていた私に隣の小さな遣い達が声を掛けた。
「あの人間、一人で喋ってるの」
「なんだ?我には何も見えんが」
そんなことを言う遣い達に釣られて、私も視線を前に逸らした。

ああ、本当だ。彼はこの前、紅い子と話していた。

昼間のように水面を輝かせる太陽はないから、海はどこまでも漆黒だった。
今日は新月なのか、いつもよりも益々暗い。

でもその少年は、この上ないくらいに幸せそうな顔で笑いながら、話を続けていた。
「…何か見えてる」
あの子にはあの子だけの世界が見えているのか。誰にも理解されることない、彼だけの特別な世界が。

『メイ、今日は僕に友達が出来たんだ』
『ああ、でも心配しないで。彼はとてもいい少年だ。メイも見ていただろう?』
『でも彼は邪神になるそうだ。僕のように可笑しくなってしまうかな。』

嬉しそうに、悲しそうに、声色を変えながら話をして。
…なんだか私は、ぼんやり思い出した。
「…ヒトガミ…って居なかった?」
遣い達は息を揃えるように同時に私を見た。が、私がこれ以上何も言わないのを悟ると、静かに視線を戻した。
「…ヒトガミか…聞いたことはあるが、一度目ではなかったか?」
「そうなの、ミュー達のこと信じてくれる人間なの」
どうしてか、とでも聞きたそうな顔をしながら二人は少年を凝視する。
この遣い達二人も、ヒトガミが滅びた当時は生まれていなかったはずだ。
まあ、ヒトガミのことに関しては私の勘違いかそうでないかは別として、彼には見覚えがあるな。
ヒトガミは確か滅びたと聞いた。信仰心だけで生きていた彼等はあまりにも無力だったからだ。
…だったら彼は、生き残りの可能性がある。

「ディーにミュー、彼は創造神候補になるかもしれない。」
私が大して変わらない口調でそう言うと、二人は「え」と声を漏らした。
私はいつも気まますぎるから、二人を驚かせてしまって少し申し訳ないけど。

そんな私達に気付く様子もない少年は、まだ楽しそうに笑っていた。

説明しろと言われれば無理だが、彼は何か大きな感情を抱いているような気がする。それも良きものではない。
禍々しくて、歪で、不安定な何か。
とても人間の生きる数十年や其処らではでは得ることの出来ないような、大きな何かだ。

それが、少年の不運な人生を語っている。

「決めました、彼が創造神です」

私がそう、あっさりと告げて踵を返すと、遣いの二人は驚いて焦るように着いてきた。

「おい、待たないか!そんな…そんな適当なことで良いのか?」
「そうなの!次の世界を決める大事な存在なの…」

そんな心配そうな二人を横目に私は人差し指を立てて笑う。この二人は本当に良い子達だな。

「適当じゃないから安心して。彼は君達には見えない、大きなものを背負ってる。紅い彼と同様…もしくはそれ以上の…何かを、ね」

そう言うと、二人は顔を見合わせて困ったように首を傾げた。
が、それがまた楽しくて私はつい声を漏らして笑ってしまう。

さあ、ローゼに私の勝ちだと言ってこなきゃ。

私達は少年の笑い声を聞きながら、夜の海を後にした。