ゴースト×ゴースト(短編)小説、君との因縁は

はーい、短編!
勢いで書いた物。フロウが気付いてたらなーって話。
フロウが三度目の神になったらどんな姿になるのかなーとか妄想して絵描いたりもしてたからその内載せるね、らくがきコーナーかなんかの時に。
ということで、まあ適当に読んでやってくださーい



なんだか、確実ではないのに、分かってしまったような気がする。
あの体の痛みと重さには、覚えがあるし。

また彼は優しい嘘をついてくれたのかな。俺なんかの為に。
言い出せなかったんだ、気付いていても。言いたくなかった。「体が痛む」なんて。
ただ甘くて優しい時間の中に溶けてしまいたくて、彼の手の傷を、見て見ぬ振りした。
目を、逸らした。
だって、怖いじゃないか。
心まで、遂には精神まで、神に染まってしまうなんて、思い知りたくないじゃないか。

折角、思い出したのに。まだ二人で一緒にやりたいことがたくさんあるって、そう思ったのに。
俺が心まで人間でなくなってしまったら、人間として刻んだ記憶はどうなるんだ。
一緒に歩いてきた俺たちの時間と、一緒に居たから気付けた感情は、一体何処に行くんだ。

いつまでも一緒に居たいよ。この記憶を抱いたままで。
記憶を思い出したから、感情を思い出したんだ。

彼を置いてはいけない。彼を置いて、自分一人の世界になんて行けない。


ああ、ねえ、それなら。それならさ。
全て壊し尽くしてしまう前に、せめてこの心だけは残るように、神にしてもらった方がいいのかな。
どうせ、もう、何をしても神になってしまうなら、彼との記憶だけを残して。

彼は十分傷付いたよ。俺のせいでね。前世から、今までずっと。
俺の為に、ずっと我慢してくれてありがとう。

君は、ずっとそれでいいって言うけど、言うけどさ、俺はやっぱり嫌だな。
だから今度は俺の番。俺が我慢する番だよ。

あのね、俺が完璧な邪神になれたら、君の記憶を封じてあげられる。
もう二度と、二度と君が俺のこと思い出せないように。君が苦しまなくていいように。
俺は大丈夫だから。君の前で泣いてばかりだったし心配かもしれないけど、でも、もう終わりにする。

だから、もう、因縁を断ち切ろうよ。三度目で、最後になるように。
その方がほら、お互いに幸せになれるよ。君も紅から解放されればいい。
そうして、君が人間に転生して、俺が守ってあげればいいんだ。

俺は君を守れるなら何度だって神になれる。何度、歪で汚い神になったっていいよ。

三度目も四度目も、百度目まで繰り返しても永遠に君を見ていられる存在になりたい。
これが俺の願いだ。だから、だからね、

俺の最後の我が儘を、許してよ。