ゴースト×ゴースト小説、たった三人だけの時空

こんにちはー!久しぶりですね〜!!
まさかの文化祭の次の日にテストでその次に資源回収でその次に雨の中ボランティアという多忙な四日間でした!!
やっと時間が出来たので久々の更新です、すみませんね遅れて;;
でも成りは楽しかった…ウォリスが意外と優しくなっちゃって〜あはは←
同時進行でフロウがソウルに脅されてたりしても面白そうだよね〜なんて
はい!では久々の本編!!今日は会話が多かったりするよー!
邪神、炎神、時空神の三人がウォリスのため、イングリーネのために動き出します…!!
では!どうぞ〜〜!



「ウォリスー!ウォリスに会いたいよー!」
資料室から出て歩き始めた時にすぐファルシードは手を大きく振って叫んでいた。
が、いつになっても扉が現れることは無い。
「…取り込み中ってワケ…」
デヴィーセが舌打ちをするのをカルルは見ていた。
カルルはなんとなく、デヴィーセならこの状況をきっと好まないだろうと思っていた。
そもそも彼は素直に人助けだとかを好む性格ではないし、自分が試されると、試していることを後悔させてやろうとまでする位の負けず嫌いであると思う。
あくまでイングリーネを助けるためではなく、ウォリスを見返すために今彼は動いているはずだった。
それを人助けと勘違いされては彼としても気分が悪いのだろう。

カルルがぼんやりとそんなことを思っているとデヴィーセがファルシードの頭を乱暴に掴んだ。
「君もさ、いつまでもウォリスに頼ってないで自分で道を開けばいいじゃない。」
元気に振っていた手を止めて、ファルシードはデヴィーセを見た。が、彼のその瞳は不安そうに揺れている。
「…そんなことしたら、僕…。」
怒られてしまう、とでも言いたそうな様子だった。
デヴィーセはその瞳の奥まで深く見つめて、怒りと…悲しみを覚えた気がした。

あの時の、そう、姉が居れば良いと安心しきっていた自分と似ていたのだ。

姉が居れば自分が苦しむことも悲しむことも無いと。
姉が居れば永遠に幸せになることができると。
…姉が居ればそれで全て良いと思っていたこと。

だから嫌われることがどんなことより恐ろしいのにね。

「…僕が時間を止めてあげる。」

「え…?」

デヴィーセは自分自身が発した言葉に正直驚いていた。時間を止めるなんて、まだ試したことも無いのに。

「僕がこの城の時間を止めてあげるからその間に破壊してよ。」
「でも…」
「嫌われることを恐れてるの?君を外から隔離して自由を奪って永遠に君を自分のものだけにしようとしているあのヒトを恐れているの?」
「それは…」
「馬鹿馬鹿しい、依存するのはもうやめなよ。自分がやりたいことやって生きれば?」
「できないよ…」
「この城は永遠でも、君が永遠に子供で居られる訳じゃないよ。時は永遠に刻まれる、終わりは存在しない。その間に世界は廻るんだ。」
「やっぱりお兄さん怖いよねー…」
「怖くて結構。折角この僕が君のこと信じてあげるって言ってるんだから、やるだけやってみてくれる?」
「お兄さんに信じられたって嬉しくないよ」

「じゃあイングリーネがどうなっても良いワケ?」

その最後の言葉にはファルシードも言葉を詰まらせた。カルルは止めようと思ったがそんな間もなく、デヴィーセが喋ってしまう。
共に行動して分かったことだけど、デヴィーセもイングリーネも似ているなとカルルはつくづく思っていた。
遠まわしなことが嫌いで、短気で…何より意思が強いんだ。

ファルシードは暫くデヴィーセの瞳を見つめていたが、その内に視線を外して一歩前へ出て少し俯いた。
彼の少し長い黒髪で隠れて表情は読み取れなかったがファルシードの足元から漂う黒い影はだんだんと濃くなっている。
デヴィーセが真剣な眼差しを彼に向けているのも、カルルはしっかりと見ていた。

小さな邪神はいつか見たときと同じように、両手を広げるのだった。

…その瞬間、時が止まった。

「デヴィーセ…」
カルルは彼の横顔をすぐ隣から見ることが出来た。
目を閉じて、まっすぐに集中して、祈るように胸の前で手を重ねる彼の姿は…紛れもなく時空神だ。

自分たち三人だけの時間は恐ろしいくらいに静かで…

『創造を破壊しろ!!』

新たな道を見つける、鍵を見た気がした。