ゴースト×ゴースト小説、扉を開けろ。

はいはーい!心配しなくても本編だよ〜〜!←
今日は殺伐とした資料館へあいつが入ってきますよ〜!
息抜き大事というありがたいコメントをいただいたので、結構たくさん全然関係ない小説書くかもしれません〜〜
出来るだけ本編書きますけど!テンション上がっちゃうとどうしても違う子に走ってしまったりするので…
まあ温かく見守ってやってください〜!次本編書くなんて保証はないので!
では本編!どうぞ〜!!↓↓


「お兄さん達ここで何してるの?」
扉が開け放たれる音と同時に聞き覚えのある幼い声が聞こえた。
それぞれ浸っていた思いから一気に現実に引き戻され、その姿に視線を集中させる。
邪神ファルシードだ。部屋が一気に暗くなったのが分かる。

静かな部屋によく響く声が放たれる。
「ここには何にも面白いものは無いよ。」
ファルシードは溜息混じりにそう言いながらその部屋の中へゆっくり歩いて入ってきた。
その言葉にデヴィーセは少し面倒臭そうに、
「面白いものを探してるんじゃないけどね。」
と放った。少しだけ機嫌が悪いのは誰が見ても分かった。
子供の相手が得意そうには見えないのでカルルもイングリーネも少し心配だった。
だがファルシードはそんな言葉に耳を傾けないでどんどん部屋の奥の奥へ進んでいく。

「あのね?新しいお友達だから特別に教えてあげる。」
新しい玩具を見せ付ける子供のような言葉に三人はピクリと反応したままファルシードの行動に釘付けになっていた。
壁に沿うように置かれた最後の本棚を目の前に、ファルシードは止まる。
「ねえ何が知りたいの?今金髪のお兄さん、探してるって言ったよね?」
紅い目をデヴィーセに向けながら首を傾げて問う。不思議そうにするデヴィーセはイングリーネやカルルに一度目を向けた後、ゆっくり話し出す。
「…この世界のこと、なんでもいいから知りたいんだよ。」
その短く返された言葉にファルシードは「へえ〜」と笑うとまた本棚に向き直ってしまった。
三人はその態度もよく分からずただ見つめるしかなかったが、そのとき、急にファルシードが両手を広げた。

その手をゆっくり体の前で合わせると、彼の足元から溢れる闇が濃くなっていく。

『…扉を開けろ。』

今までの無邪気で悪戯っぽさの混じる声から随分離れた、低く色の無い声でその一言は放たれる。
三人はその姿にただ目を見開いていたが、ファルシードから放たれる暗黒に視界を奪われてしまった。

数秒でその闇が払われて視界が戻ってくるとそこには、いつもの笑顔を浮かべるファルシードとその奥の新たな風景だった。
明るくハッキリした色がいくつも重なったような、目に優しくない部屋だった。
その部屋にはよく見るとカラフルな何冊もの本が置かれていた。
子供部屋のように散らばって整頓されていないが。

「さあ、早く見ないとウォリスに閉じられちゃうよ。」
ファルシードは悪戯っぽく手招きして、戸惑う三人を半ば無理矢理部屋の中に押し込めた。

イングリーネの頭の中には数秒前のファルシードの声が反響し続けていた。