ゴースト×ゴースト小説、未来を見つめろ

はーい!こんにちは〜、久々に本編ですね!!
本日台風で休校になったので時間できましたから!書きました!!
でも次も本編が続くかどうかは…どうかね?←
まだまだ妄想してるから、また妄想コーナーかもしれないし、息抜きかもしれないし、無駄設定とか久々に…?
なんてこと言ってないで本編優先しろよ!!って感じですね…そうなるよう頑張ります!
では!今回はデヴィーセ目線です!どうぞ!↓


この世界のことを知ることは、前世のことを忘れることになるのだろうか。
僕が歩んだ人生は、きっと短かった。
大切な人一人も守れず、自分の命さえ守れず、本当にダサい人生だったと思う。
何も知らずに死んでいったんだと思うよ。きっとあの世界のこと一割も知らずに死んだんだな。
知らないことは罪だ。人の汚さも、人の幸せも、人の死だって。
知っていれば傷付くことも死ぬことも無いさ。
この世界で死ぬことなく、必ず姉との再会を果たす。
(きっとたまたま神として転生しただけだ。お姉ちゃんだって必ずどこかで会える…!)

死んで気付いたことだってある。
あの夜、自分の愚かさと絶望に叫びを上げて、その後から記憶が無い。
もう一度目を覚ましたらここに居た。今でもまだ夢なんじゃないかと思う。
けど、夢じゃないんだ。
死は思ったより息苦しくない。それよりもっと、強い絶望が襲う。
もう二度とあんな思いはしたくないし、思い出したくも無い。
なのに、意識が無くなる直前のことは鮮明に覚えている。

男達の嘲笑うような声も、
姉の綺麗な笑顔も、
鳴り響く鐘の音も。

「…二度と負けないさ、そんなものには。」

そう小さく吐き捨てて、デヴィーセは部屋の奥へと歩く。

この部屋に本当に人の前世の情報しかないなら、ウォリスは此処へ導かないはずだ。
僕は出来るだけ多くのことを知りたい。こんな城で立ち止まっている暇なんてない。
「…この世界のことは何処なんだよ…」
あいつが自分で知れと言ったのに。
前世に絶望してそんなことも忘れてしまえ、という意味だったのだろうか。

いくら本に手を掛けてページを捲っても他人の前世のことしか書いていない。

(なんてくだらないんだろう…)
素直にそう思った。本当に、随分歪んだと思う。
なんだかなぁ…、死んだあの日に世界の汚さを見てしまった気がして、どうもダメだ。
酷い結末だったと思うし気持ちの整理も出来ていないけど、なんとなく、夢が色褪せてしまって。
(もう二度と楽しいなんて思えないのかもしれないな…)
見えてしまう未来も、ここにある過去だって、僕には分かるんだ。
人間に戻りたい訳じゃない。神が嫌な訳じゃない。
ただ、ただ少し。

…寂しい。

イングリーネやカルルのことだってまだ全然知らない。
これから先誰が裏切って誰が仲間になって誰が未来を動かすのか分からないのに、一体どうやって信頼しろって言うんだ。

「はあ…」
先が見えずにうんざりして溜息をついた。
何も考えずに捲っていた本が手から滑り落ちて、音を立てる。
それを見送っていた途端、不自然にパラパラとページが進んで。
「…え?」
少しだけ身を屈めて、止まったその余白ばかりのページの文字を見つめる。

【運命を阻止せよ】

暫くその文字を見つめ続け、目を細めたりしながら唸っていた。
そのまま数秒考えた後、幾度目かの溜息をついてその本を蹴る。

「…はあ?どういうこと…もう!もっと分かりやすく書いてよね…」
ふん、と微かに怒りをこめて鼻を鳴らすと、デヴィーセは更に部屋の奥へと歩いていった。

乱暴に蹴りつけられた本は、ひとりでに本棚へと戻った。