ゴースト×ゴースト(息抜き)小説、目覚める意思

レストの設定ハッキリさせたいので整理のためにも一度小説…。
息抜きというよりは本編に関係ないよーって感じですー!
では、レスト好きな方はGO!!↓


『ゴーストになった妹など殺してしまいなさい。』

頭の中に、その言葉が何度も響くようだった。
最近は何かと忙しくてやっと落ち着く時間が出来たって言うのにこれじゃ休めない。

どうして、そんなことが言えるのか。
自分の産んだ娘よりハンターとしての名誉が大切なんて…。
レナがゴーストになった時あんなに悲しんだのは名誉が傷付くからだったのか。
と言う事は、俺も名誉を守るためだけに生かされているのか。
俺もレナも、生まれたのはその為だけか。

ずっと非難されるのが嫌で、期待に応えるために何も言わずに、他人が正しいということをやり続けた。
誰かに褒められることに自分の意思はいらない。
その人がやられて嬉しいことをすると喜んで、よくやったなんて褒めるんだ。

それでよかったはずじゃないか。
そうすればお金が貰えるんだ。ご飯が食べられるんだ。ベッドで眠ることが出来るんだ。死なずに済むんだ。生きて行けるんだ。
何も困らない。だからずっとそうやって生きてきたじゃないか。

『奴を殺せ。そのために何人死んでも構わない。』

『仲間が何人死のうと、お前一人になろうと殺せ。』

『ゴーストは敵だ。何があっても殺せ。』

『お前のよく知ったゴーストが居るはずだろう。』

『何故、殺さない?』

言われた時こそ、よく意味が理解できなかった。また「はい」と、言い掛けたのに。
その割に嫌な汗が止まることなく流れて…

初めて両親の前で『自分の意思』が動いた。

怒りも、悲しみも、焦りも、色んなものが混ざって合わさって。
「YES」の意味に恐怖を覚えた。
今まで色んな仲間の疑いの目も、期待の声も無視して、ただ両親の指示に従順に生きてきた自分の口から出る「YES」なんて…。
「…一体何の意味がある…?」
レナを殺す意味も、自分がリーダーである意味も、これじゃ全く無い。
自分せいでハンターが落ちぶれて行ったらまた両親に怒られてしまう…、でもレナは殺したくない…。
レストなら大丈夫だなんてもう二度といわないでくれ。期待してるなんてもう二度といわないでくれ。

「…もうハンターなんて止めたい…!此処から逃げてもっと遠くへ行きたい…!!」
俺のことを誰も知らない場所へ。もう誰にも期待されない場所へ。種族なんて存在しない場所へ。

…消えてしまいたい……。