ゴースト×ゴースト小説、黒は僕の苦手な色。

更新ペース戻すって言ったのに全然戻ってなくて申し訳ないです…
彫刻の宿題で、あの、時間が…(言い訳)
兎に角ごめんなさい!頑張って書いていきたいと思いますのでよろしくお願いしますー><
あと、とても成りたいです…誰か成りませぬか…←
そんなことより本編ですね!どうぞ↓


「あらあら、声が聞こえると思ったのよね。」
何をする訳でもなくぼんやりと椅子に座っていたウォリスの元へ、黒い足跡を残した少年はバタバタと走ってきた。
「ねえねえ誰なの?あれってなに?どうしてここに居るの〜?」
落ち着かない様子で部屋中ぐるぐると走り回る存在を愛おしく思いながらウォリスはゆったりとした口調で答える。
「落ち着きなさいファル、これも運命よ。この世界に生まれる運命とここに来る運命…、その二つが重なっただけよ。」
頬杖をつきながら窓の外を眺める彼女を見て、ファルと呼ばれた少年はそっと窓に近づいた。
下を覗き込めば先程見掛けた三人がなにやら楽しそうに話している。
「運命…、ふーん。じゃあ僕が三人を見たのも運命だったのかぁ…。」
一人で頷き納得するとまたウォリスに向き直る。
「ねえねえ、どうするの?あの三人、放っておいたらあそこでずっと喋ってるかな?」
指をさしてファルは悪戯っぽく笑って見せた。が、ウォリスは首を横に振る。
「いけませんよ、意地悪をしては。あの者達は危険ではないから扉を開けてきてくれないかしら?」
ウォリスはそうファルに頼むと「本当?」と不安そうに首を傾げるが、ウォリスが短く返事をすれば階段をゆっくり下りていった。

疑問が次々と少年の頭に浮かぶ。
気づけばこの城のような綺麗な建物の中に居て、何故かあの、ウォリスという者に心を許してしまって。
なにより、目が覚めたらここに居たことに驚いているのだ。それ以前の記憶は綺麗に消え失せているようだし、不思議で仕方ない。
「僕は邪神、か。この世の闇は僕のモノで…。闇って必要なの?闇ってあまりいい意味で使われないし、それだったら僕なんていない方がいいのにー。」
階段を降りながら独り言。
足跡はゆらゆら黒い影が踊っている。
手のひらに少しの闇を起こしてみる。でも、ウォリスに危険なことだと言われていることだった。
まだこの力を自分の思うように操れない。器となるこの体が小柄なこともあって、溢れ出てしまっているらしい。この足跡がなによりの証拠だ。
自分の手のひらの、暗くて黒い実体のないモノ。それを見るだけで心が可笑しくなりそうだ。なんだか、世の中の絶望が詰まっているような気がして気分がとても悪くなる。
「自分の力なのにどうして…」
すぐ近くの壁に力なく寄り掛かって小さく呟く。
この世界にこんな力を持って生まれてきたことが、なんだか嫌だった。
幸せなのはウォリスの側に居られる時だけ。
「ううん!ウォリスと居て幸せならそれでいいの!大丈夫大丈夫、大丈夫なんだ!!」
顔を何度も左右に振って深く考えるのを止める。

そしてその黒い足跡を残して、城の外側へ行く為の扉を開いた。