ゴースト×ゴースト小説、君が大好き

「リーウ!」
あの明るい声が背中にかかります。
振り返ればそこには、草原のような優しい黄緑色の髪を揺らした少女、ミリアです。
「ミリア…!」
彼女が歯を見せて笑います。
私の母が居なくなってしまった戦いが終わったように、彼女を苦しめていた病気も消えたようですね。
「もう!リウったらまだ寝ぼけてるの?そんなにぼさぼさな髪型で!」
焼け焦げた臭いのする戦場から何も考えずに歩いてきたんでした。髪型のことなんてちっとも考えてなかったです。
「私が結ってあげるからちょっと待って!」
そう言うとすぐに私の髪の毛に触ります。器用な手つきで結われていきます。
自分では見えませんけど、邪魔にならないようにおとなしく待ちます。
「ほら!完成!」
触ってみると普通の二つ縛りではなさそうです。水溜りに映る自分を見ると、
「へへへ、ミリアとお揃いだね!」
三つ編みです。ミリアに良く似合う、髪型。
私は嬉しくなりました。笑顔が溢れます。
「ほら!お洒落したんだから、レインに会いに行こうよ!」
虹は夢で見た景色とそっくりで。ここにレインが居るんだと思うととっても嬉しいんです。
手を引かれて走ると、そこはもう現実ですが夢のように楽しいです。
ミリアと共にする時間はこんなにも楽しいんですね。

暫く走った先、少しだけ息が上がっています。
海が見える丘、そこに一人、黒い服を着た青髪の少年。
ミリアも私も、悲しい気持ちになりました。
ついこの前までは、綺麗で輝いていた彼が…。
振り返った瞳に光は映りません。深く濁る黒。色のない表情。
私達が、守ってもらったから彼はこうなったんです。
私は目を合わせられず、俯いていました。でも、ミリアは違ったんです。
一歩前へ、彼に近づきます。

「ミリアのこと覚えてる?あなたに助けてもらった…。」
レインと目線を合わせる為にしゃがんで、ミリアは言います。
「今度は私が、私達がレインを助けてあげるからね!」
腕輪を太陽の光に輝かせながら、ミリアは明るい笑顔を見せた。
私もレインに思いっきり笑います。彼が夢で私達を救った笑顔のように。

今度は彼を夢に帰す為の手助けをする番だから。

「…いつか夢を、色を取り戻せるよ。レインなら。」
私はレインの隣に座る。彼は少しだけ体を強張らせた。
ミリアはその反対側に座って体を寄せる。
「あははっ!良かった、現実って素敵だねレイン。」

いつまでも、こうしていたいと思えました。
現実を綺麗だと、そう感じたんです。
キラキラと太陽に輝く海が私達の未来のようです。

そう思えるのもレイン、あなたのお陰よ。

ありがとう、今までも、これからも。

「雨はいつか止むんだよ、歩き続けて青空が見えたらきっとそこに虹が見える…。」
その言葉は今、現実になる。

「「ありがとう!レイン!!」」

思いっきり笑って、私達はいつまでも寄り添っていました。

♪HAPPY END♪


−後書き−
はい!終わりです〜!お付き合いありがとうございました!
ドリーム達の言葉、ひとつひとつなにか感じてもらえたでしょうか!
リウもミリアも元気にやっていけるようになりました〜、夢は夢のままで終わらないということですね!
希望を届けられた作品になったなら嬉しいです!
では私は4日間、居なくなります><
元気にやりますので更新はお待ちください!次のシリーズはちゃんと考えてきます!
ではお元気で!!