ゴースト×ゴースト小説、七色の君を。

海から出ても、世界は暗黒です。
ああ、ちょっと前まで光り輝いていた世界が…。
「…私いや。」
ミリアがぽつり。それは雨の降り始めのように…
「ここでしか、私…強くなれなかったのにっ、強気な女の子になれなかったよ!なのに!!」
そのミリアの声が、ドキリ。
私も同じでした、それは。レインがいたから、強く…。

結局二人で泣くしかありません。
黒い雨が尽きず降り続きます。私達の頭上に、ポツリポツリ。
ドリーム達が教えてくれたことはもう、通用しません、こんな世界では…。
私は結局、何も変わっていない…、ゴメンねみんな。
でも、

「そんなことない!」

声が聞こえました。透き通るような、青色の声。
私達が飲まれた波のほうから、あの少年の声です。

「「レイン…?」」
その声の主は、黒く染まった服で立っていました。
その瞳と髪にだけ、青を宿して。
そして、優しく笑うんです。ああ、やっと会いたかった彼に会えました…!

「雨はいつか止むんだよ、歩き続けて青空が見えたらきっとそこに虹が見える。」

「僕はいつもそこに居よう。君達に会う為に。」

「今なら傘を持って歩いていけるよね?さあ現実に帰らなきゃ。その為の架け橋を、僕が架けてあげるから。」

私達に傘を差し出して、それを受け取りました。
黒い雨はもう、体に当たりません。だけどレインがどんどん黒く…。

「さあ、僕はドリーム・レインボー、君の架け橋になる存在。」

そのペンダントが、虹色にキラリ。
最後の輝きと共に、虹が架かりました。…これが夢の世界。

「「レイン!!!」」

笑う、雨。

「現実でまた会えるよ。レインとして、…例えそれが、絶えず降り続く雨だったとしても。…君達を待ってる。」

君は雨に溶ける。虹の全てとなる。

私達は意を決して、その光の道を二人で一つの傘をさして、強く歩いていく。

今こそ目を、覚ませ。