ゴースト×ゴースト小説、夢と現実の融合

前書きします!珍しく!
そろそろ物語も終わりに近づきます〜!
これから一気に真面目になると思いますので…心の準備を…!
最後のドリームがいよいよ登場です!ハイネちゃんのキャラをお借りしました〜
ありがとうございますー!ではどうぞ!↓


「わー!!見てリウ!すっごい綺麗だよ!」
ミリアは目をキラキラ輝かせて言いました。
その視線の先を見ると、うわー!すごいです、青くてキラキラした…これはなんでしょう?
その向こうから風が吹くと…ひぃぃ!寒い!!
「これ氷だよ、ミリア」
どうやら氷で囲われた湖のようですね。朝日に水面が輝いています。
少々風が強いです、スカートがヒラヒラしてしまって足が寒い…。
ミリアなんかは私よりも短いスカートなのに全然寒くなさそうです、好奇心に目が輝いていて…元気ですね。

ですが夢の世界では温度は関係ありません。寒いと思えば、すぐに暖かくなるのです、本来ならば。
久しぶりに、温度と言うものが常に快適ではないことを思い出しました。

「現実のこと、少し思い出せた…?」
その声に振り返ると、青くて長い髪を冷たい風に揺らす女の人です。
その髪も朝日にキラキラ、とっても素敵です。

「懐かしい!温度だね!」
ミリアはそういいました。
やっぱり私よりも前からここに居るんですかね?
「僕はドリーム・クール、あなたたちに温度を教えるよ。」
クールは温度を教えるとそういいます。現実に帰る準備と言うことでしょうか。
嬉しくもないですが今は嫌でもありません。

「氷は冷たいけど、それを溶かす太陽は暖かい。温度は時に命を奪うこともあれば、みんなを幸せにすることもある。」
確かに朝日を浴びている背中はとってもあったかいですが風に煽られればとっても寒いです。
ミリアも私も、どんどん現実を思い出します。
きっと現実では温度に色んな思い出があるはずです。その記憶と共に。
じっくりじっくり…。

「そうだ、私…。」
ミリアが目を大きく見開きます。突然…どうしたのミリア?
手を伸ばそうとする私をクールが止めました。
「まだ早かったかな……。」
クールはちょっと焦りながらそう言ってました。
早い?それって…。
考えるより先にクールに手を引かれて私達が来た方向に走っていました。
「え、待ってクール!なにが起こってるの?ミリアは?」
空が曇りだして、海は荒れ始め、夢が壊れていくのが見えます。

あれ?息が苦しくなります。走ったから…でも夢の世界では極度に疲れたりしなかったんです。
どうして?それにはクールがすぐに答えてくれます。
「僕は現実をみんなに教える為にいるの。だけどまだ現実の事を整理できていなかったりする子に思い出させると…ほら。」
振り返ってミリアを見ると…あれ?ミリアは?
「夢に飲まれてしまうの…。海に、雨に、空に、星に、夢の全てに。」
そんな…。助けることはできるのでしょうか?どうしてこんなことに…。
「多分、ここに来るまでは整理できたつもりだったんだと思う…。だけど、また新しいことを思い出して分からなくなってしまった。」
クールの表情は苦しそうです。そうです、クールもこんなことは望んでいません。
「でも、助けられる。リウ、僕と一緒に急いでレインに会いに行こう。方法はそれしかない。…言ってしまえばリウにしかミリアは救えない…。ミリアとリウの夢は融合してる。本来なら夢は一人だけの世界だけど、あなた達は出会って心を許した。だから同じ世界に存在するリウじゃなきゃダメだから。」
…夢が融合?難しいことはよく分かりませんが私じゃなきゃダメなことはわかりました。
頑張らなきゃいけません。ミリアの、レインのためです。

大きく頷いて、私達は黒く塗りつぶされそうな虹へ走ります。