ゴースト×ゴースト小説、月を照らす太陽

「何で泣いてんだ?可愛い顔が台無しだよ。」
サンは歯を見せて笑うと私たちの頭を撫でる。
そんなことされるとまた涙が…。ああ、全然止まってくれません。
「私達は現実に帰らないといけない?ここにずっと居ちゃダメなんだよね!?」
クイーンは泣いて泣いて、サンに抱きつく。
私もサンの顔を見上げます。

「うーん…、俺はさ…一回ここに来てちゃんと帰ったんだけどね?現実で眠ったり、病気になったりする度にここに帰ってきてるんだ。」
月を見つめながら、サンは笑って言う。
「現実の俺は病気に弱くて、すぐ意識が飛んじゃうし、もう死んじゃうのかもって思う。」
病気、その言葉にクイーンはハッとします。
サンはクイーンに似ているんですね。
「その度にここに戻ってきて、色んなドリーム達と出会って、勇気を貰って、時に勇気をあげて…そうすると大丈夫になるんだ。」
そういうとサンは私達を二人まとめて抱きしめる。
大きい、私達からすればお兄さんです。
「絶対いつか大丈夫になるから、無理に帰るときっともっと辛くなる。だから大丈夫になるまでここでゆっくりしていけばいいんじゃないかな。」
やっぱりサンは太陽みたい。体も言葉も温かい。
彼の一つ一つの行動が身に染みていきます。じわじわと涙が溢れるくらい。
「それを誰かがダメと言ったとしても、それはリウやクイーンが無理をしていい理由にはならないよね。俺の体も現実じゃそろそろ動かなくなる…。けど、休みたいときには休みたいし、無理してでも頑張りたいときには頑張るよ。だって自分だけの人生だろ?だから自分を大事にして生きていけば大丈夫。辛いことも楽しいことも人生だってちゃんと思えるようになる。」
ああ、クイーンにはやっぱり心に響くみたい。
辛かったよね、きっと。歩けなかったんだもんね。人と違っていたんだもんね。
隣で顔をくしゃくしゃにして泣いています。

「私…私ね…、クイーンじゃない。…ミリア、って言うのっ…、だから、だから絶対いつか自分の足で…サンに会いに行くね…っ!私が歩けるようになったら、現実で…私と会ってくれる?」
サンは少し驚いたみたい。目が大きく見開かれています。
でもすぐに太陽みたいに笑ってクイーン…いえミリアに応えます。
「うん!じゃあ俺もミリアに会うために頑張って生きるなっ。現実の俺はイフレ、ずっとミリアに会えるの待ってるから。」
ミリアは嬉しそうに笑ってサンと指切りをしています。
よかったね、ミリア。

一段落ついたみたいでサンは私にも向き直って言います。
「リウもいつか元気になって俺に顔見せに来てよ。俺たちはもう友達、だよ。」
その笑顔に、私は大きく頷く。
ようやく、現実に楽しみが出来ました。ミリアにも、イフレにだって会えるんです!

「よし!俺もリウとミリアに元気貰っちゃったなあ〜、そろそろ現実に帰るかな!」
私達は少し残念な気持ちになって、しゅんとしてしまいます。
もう少しだけ、一緒に居たいのに…。
でもミリアは強く笑いました。
「うん。バイバイ、イフレ!絶対現実で会えるよね!!」
そのミリアの顔も、サンのように輝いて見えました。分けてもらえましたね。

「ああ!絶対だ!絶対会える。」
その言葉に私もようやく安心して笑えました。
やっぱりサンの笑顔は宇宙一です!

「じゃあ、元気で!絶対無理はしちゃダメ。嫌なことは嫌って言うこと!…忘れるなよ!」

大きな声で返事をすれば、サンは月を照らす太陽に帰ったようでした。


後書きします!
朱音インフルしてましたw更新遅れて申し訳ないです><
ブログの方にも小説上げましたのでよければ読んでってくださいませ!
http://ex-speed.hatenablog.com/
ではでは!