ゴースト×ゴースト小説、七色の景色

風が吹いて、雨が消し飛び、花吹雪が舞う。
太陽の光が射す美しい景色に君と二人。

「今日もスマイル!いつでも笑えば良いことあるよ〜」
スマイルは声を出して笑った。
心の底から、世界を楽しむように笑う。

「現実の僕は確かに笑顔を忘れたかもしれないけど一生懸命生きてるよ。だってここから現実に自分の力で帰ったんだもん。だからリウちゃんも大丈夫!僕もレインもリウちゃんが元気に笑ってくれるのを待ってるんだよ。」
彼の顔を見上げると、花が舞っていて、その笑顔が一段と輝いて見えたこと。

私は彼に、笑顔を貰った。

「…うん、私信じる。…今日もスマイル、いつでも笑えば良いことあるよ。」

彼が差し出した花を受け取って、二人で笑った。
スマイルは大きく見えたけど、私と同じくらいの身長なんだ。気付かなかった。

「君へスマイル!!ずーっと僕は応援してる!君が現実帰ってもずっとだよ!」
彼がそう言えば、花がキラリって光った。
レインのペンダントと同じだ…。

そう見とれていたら…
「あ……」
気付いたときには、スマイルはもう居なかった。


「スマイル…?どこ…」
でも、消えた、という感じはしなかった。
居ないけど、でもまだずっと傍にいてくれるような…。

花がそう言っている。
私は幸せだなって、そう思った。
今なら笑える。

「ねえちょっと!!」

いきなり、そんな声が聞こえて太陽がキラキラ輝く方角を見た。
そこには黄緑の長い髪に左右を三つ編みに結ったお姫さま…というような印象を受ける少女だった。

「私はクイーン!ドリーム・クイーン!!レインはどこ!?どこにいるのー!!」
会って早々駄々をこねるように私にすがりつく。

「え?…その、レインは…」
えーっと確か…
「虹の向こう側に行くって…」

クイーンか、それでこの様子…。

「虹の向こう!?なんで!なんでそんなところに!?」
彼女は怒ったようにそう言うけど…私に言われても…。
「それは聞いてないけど……」
なにか言われそうだったから目をそらした。
「…そう。じゃあしょうがないわね!リウは忘れっぽいし、忘れちゃっただけかもだしね!」
クイーンは歯を見せてニカッて笑う。
ああ、お嬢様って感じじゃないところもあるんだね。
前から私のこと知ってるように言われたのは不思議だけど、それはレインもスマイルも一緒だったっけ?
「一緒に捜しに行こうよ!レインはすぐどっかいっちゃうの!私を置いていくなんて最低よね!!」
彼女は怒ったり笑ったり表情豊かな元気な子。
クイーンの話を聞いてると少し笑える。スマイルのおかげでもあるけどね?

私たちは手を繋いで草原の上を虹に向かって歩いた。