ゴースト×ゴースト小説、願掛け

どうしてもあの二人が気になった。
普通ならあんなにフレンドリーに人と関わってこないだろうし。
だって、今まで誰かに話しかけられたりなんてしなかったし、しかも二人。
彼らが異常な事は良く分かった。
だってもう雰囲気とか、そういうのが普通じゃない。

「フロウ様!!」
衝動的に走り出していた。
果物もすべて置いて。

…何だか嫌な予感がする。

どこに何が居るか分からない。
勘でしかない。
道なんて知らない。何も知らない。
でも…

雷が鳴り出した。
不自然に、さっきまで晴れていた空に、雲が出てきて。

雨まで降った。

(こんなの絶対可笑しいじゃねぇか……)
俺はそんなに雨男じゃねぇし、そんな高度な魔術だって知らない。
気味が悪い。
まるで、世界が自分中心に回っているよう。

…神様か何かになってしまったみたいに。

もしそうなら、何か叶えてくれないか。
例えば、
「強大な力を…手に入れる、とか………」
風が吹いて、振り返って、そしたらさ…
世界が閃いて見えた。
キラリって、何かに気付かされたみたいで。
でも…何も気付いていない。

世界に魔法がかかった。