ゴースト×ゴースト小説、少ない日々を
目が、覚めた。
目覚めたくなかったのに。
俺たちを殺そうとする医者達の目が、焼き付いて離れない。
怖くて怖くて、でも、人は誰しも記憶からは逃げられない。
だから、立ち向かうそうだけど…。
俺はもう二度と病院には行かない。
この体に限界の時が来たとしても、延命するのはもう止める。
もういい。
それ以上に、怖い思いをしたくない。
この事件があった後、父さんは色々調べてくれたみたいだけど、
どうやらゴーストと人間のハーフには色々あるらしくて、体が弱く生まれてくるようなケースもあるらしい。
俺は恐らくそれなんだって、兄ちゃんも母さんも認めた。
ああ、そうなんだ。
俺って、そうなんだ。
母さんや父さんからは、そんな風に生んで悪かったと何度も謝られたが、
正直どうすればいいか分からなくて、「俺こそごめん」って、いうしかなかった。
それに、俺聞いてたよ。
そう長くは生きられないかもしれない、って言ってたこと。
母さんが泣いてた所も、ちゃんと見てたよ。
だってハーフは、ゴーストになることも難かしいんだもんね。
ごめんね、みんな。
俺、その事、隠して生きていくから。
みんなに心配かけないように、人間として生きていくから。
ずっと笑ってるから。
……どうか俺が死ぬまで側にいてね。