ゴースト×ゴースト小説、あの日の恐怖。

前書きです←
リールのシリーズが前作で完結です!ありがとうございました!
今回から二作に渡ってイフレの過去を書いていきたいなあと思っています。
病院嫌いの訳がきっと分かるはず!
では是非読んでいってね〜、GO!↓


なに?なにが起こったの?
父さんも母さんも、戦ってる。
頬に何かが流れる。
触ってみると、透明だった。
でもそれに混ざるような、紅。
「血………」
抱き寄せてくれる兄の少しだけ大きな体に身を委ね、小さく呟いた。
「大丈夫………大丈夫……大丈夫………」
強く抱きしめながら、呪文のように聞こえる言葉。
大丈夫…ってなんなの?
怖いよっ……大丈夫じゃないよ!!
「う、うぅ………」
胸が痛い。
苦しい、このままじゃ…死んじゃう……!

「助けてえ……誰かぁ!!」

耐えられなくなって、叫んだ。
ここが、本当にヒトの命を救う場?
嘘だ……病院なんて地獄だ!!

叫ぶ俺を抑えるように、手が伸びた。
少し冷えた、兄の手だ。

「僕が守る…僕しか…僕しかいない…っ」

兄の涙が、流れ落ちて来た。
だけど、もう喉から声が出ない。
声が枯れてしまったのか、それとももう死ぬのか。

「……兄……ちゃん……」

怖いよ。
そう、言いたかった。
だけど、恐怖でついに声も出ない。

だって……

なんで、そんな大きな剣を…振りかざしているの……?

呼吸することも忘れた。
俺は……
俺は…………っ

死ぬのか……