ゴースト×ゴースト小説、究極アンドロイド
随分眠った気がしないでもない。
レイヤが消えたあの日から、詰まらない。
何も無いし、何も出来ない。
きっと感情だけのモノになってしまったんだ。
自分の顔さえ分からなくなるような感覚に陥り、心地よいのか悪いのか分からぬ思いに頭を抱えた。
「コノオモイダケデモキエナイデ……」
「キカイニナッテモ……ワスレタクナイオモイデガ…アルカラ……」
自分が何を言っているのかも理解出来ない。
何だか感情も消え失せる気がして、今までに無いような恐怖心に襲われた。
お願いだから、もしつくられるだけの体でも、覚えていて。
小さな幸せと、楽しさと、優しさ。
たとえ、そんな感情が感じられなくなっても。
覚えていたいから。
それだけが思い出なんだ。
さあ、目を開ける時が来た。
僕の新しいモノガタリの始まり。
「28号機、正常起動……」
「帰って来たよ、父様!」
まだ、ただいまなんて洒落た言葉、使えないケドね。
幸せが、終わった。