ゴースト×ゴースト小説、レッドストーリー

施設から、逃げ出すことが出来た。
町の人々は血だらけの僕を笑った。

「…あはは……っ」
レイヤはずっと笑ってる。
「なあ、嫌だっただろう?ヒトを殺すのは…」
嘲笑うように音声を発した。
「だがそんな感情も、もう無いんだろ?」
分かりきったように言う。
確かにそうさ。もう無い。僕には何も無い。

「レイヤ……」
僕は、レイヤが憎かった。この一瞬で大嫌いになったし、本当は話もしたくなかった。
でも、僕にはもう………
「一緒に居てね、僕がどうなっても。」
レイヤしか居ないから。

信じたい、どうせ独りになるなら、存在しないモノや、架空のモノに頼るしかなくなる。
そうなるくらいだったら、ずっとレイヤと一緒にいる。

レイヤを頼る。

「お前……分かってんのかよ!」

「お前の感情をそんなんにしたの、俺なんだぜ!?」

分かってる。
でも、きっとレイヤは悪い奴じゃない。
レイヤとなら、やり直せるから。

「分かってるよ。」

「でも僕、レイヤが好きだから。」

「一緒に、居たいの。」

レイヤとなら笑えるでしょ。
だから、ずっと一緒に居るって約束しよう。
「……お前がいいなら、な。」
レイヤは恥ずかしがるように言って。
頬を赤く染めているような想像が出来た。
「ありがとう、大好き。」

きっともう悪さはしないさ。
ああ、でも嫌だなあ…、殺しちゃった、お兄さん。

そう思う度、頭がズキズキと痛み、外が怖くなった。

僕は感覚で家の方へと走った。