ゴースト×ゴースト小説、希望ファンタジー

「お兄さん!ウイルス入っちゃって大丈夫なの!?」
リールは檻にしがみついて尋ねる。
あまりに他の子供達よりも活気のある天然加減なのでレイヤは笑えてしまう。

「別に問題ない、こいつは悪さもしないそうだ。」
初めて見るはずなのに驚く様子もなく眺める。
リールは感心してからレイヤと目を合わせる。
「ヘッドフォンは?」

「お前が何時までも寝てやがるから組織の奴等が持ってったんだよ!」
相変わらず口の悪いレイヤだが今回限りは反省する。
「ゴメンってば…、ここからは出られないの?」
その言葉に全ての子供達がこちらを向いた。
希望に瞳を輝かせ、その会話に耳を傾ける。
「セキュリティが複雑な筈だし、ここからじゃあっち側のプログラムにアクセスできねぇな。」
なにか手があるようだがどうやらそれをやるにも色々と難しいらしい。

「うーん…ある程度近づけばアクセス出来るの?」
リールの問いにレイヤは胸を張って応える。
「ああ、俺は普通のウイルスより優秀だぜ!」
その言葉にリールは信頼を持ち、笑う。
そして体中のポケットを漁りなにか無いかと探し始めた。

リールが手から見せたのはマイクロカメラ。
「これにレイヤが入って投げればいいよ!」
そう言うとリールは青い青年へ投げた。
それを受け取るとレイヤに見せた。
「うわ、狭っ………」
なんて小声で文句を言うウイルスが居るが大抵無視だ。
レイヤがディスプレイから姿を消した為作戦実行だ。

「さあ、これで良いんじゃない?」
リールを含めた子供達が希望に胸を膨らませる。

「作戦実行だ!!」