ゴースト×ゴースト小説、純白ドリーム

はいはーい!新しいシリーズはいりたいと思いまーす!
前作「終わりっすか!!」ってとこで終わったような気もするけど許して(´・ω・`)
才能を開花させたいのでまだまだks文才お付き合いください!
まだまだ幼きリールの話。
独りぼっちの世界に現れたのは?
ではどうぞ!


外に出たい。
機械の溢れかえった部屋の中で一人、呟いていた。
機械に心はある。
でもね、それだけじゃつまらない。
もっともっと素敵な世界は壁越しにある。
いつだって外の人々は楽しそうにしていた。

お金を持って笑っていたり。
紅の液体を纏って笑っていたり。
子供を捕まえて笑っていたり。

ああ。
楽しそうだ。

「ねえ……みんな……。」

機械は応えない。
ねえ、寂しいって言ってるのにっ
つまんないって言ってるのにっ!

「もうっ!!」

壁に投げつけた三号機がショートする。
お父さんは天才で世界中の研究者に引っ張りだこで僕の相手なんかしてくれなかった。
僕にお母さんは居ないから、いつも一人。

「ゴメン……」

壊れた三号機に謝る。
思い上がるといつもこうだ。
なおさないと、そう考えて手を伸ばした。

その瞬間、
「なに!?」
この部屋の機械が可笑しく動き始めた。

「どうなって………」
すると大きなディスプレイに映し出された一人の少年の姿があった。
手先まで真っ黒な衣服に黒いヘッドフォン。
紫の髪と瞳は僕と同じだった。

「外に出たいんだろう?」

ニヤニヤした表情に罵られるようで。
「誰………?」
あまりに驚いて後ろへ座り込んでしまったがそれも気にしなかった。

「名前は無い。」

どうしてだろう。
僕の質問に応えるなんてどんなプログラム?
父さんがまた何か改造したのか。

「なんで?」

名前の無いことに理由など無いだろうが、いきなり現れたことに混乱して、咄嗟に言ってしまった。

「ウイルスだからな、コンピューターウイルス。」

そんな質問にも普通に答えたがそれはあまりにも突飛で、こいつの場合は名前の無い理由が普通じゃなかった。
自我を持ったウイルスプログラムで、下手すると父さんよりも天才かもしれないというまさに有り得ない話。

「じゃあ僕が付けてあげるよ!名前!」

だが父さん以外の者と話せることが嬉しくて、僕は彼に名前を付けようとした。
ウイルスは変な顔をした。

「俺に名前?」
自分の手、髪などを見渡し、名前となるようなモノを探している。
その仕草はまだ幼い僕と似ていた。
そんな中で僕が見つけた数字。

「そのヘッドフォン見せてよ!」
黒のヘッドフォンに白く刻まれた「018」の数字。

「018だから0が“レ”で1が“イ”で8が“ヤ”、だからレイヤ!どうかなぁ…気に入らない?」

今までこんな単純な名前の付け方しかしなかったので嫌だと言われても文句は言えない。
彼は瞳を見開き驚いていたがその内微笑みに変わった。

「レイヤね…いいよ、そう呼んでくれ。」
腕組みをしながら嬉しそうに笑う姿は、外のヒトが浮かべる笑みとは違って輝いていた。

「よろしく!」
僕はこの時、プログラムや機械の心を本当に信じたのかもしれない。

この出会いは、僕の人生をからっぽに変えたのかもしれないけど。