ゴースト×ゴースト小説、世界の始まり

雨が、やまないの。

お母さん、しっかりしてなくてゴメンね。

あなたを最後まで、守りたかった。

もっと愛したかった。

我が子を、手渡した。
謝っても、許されない。
そんな罪を、どうか償えるような存在になりたい。

何故、この子は瞳が紅かったのでしょうか。
いえ、何故、極悪施設なんかに手渡さなければならなかったのでしょう。

何故、殺人鬼なんかにしなければいけなかったのでしょう。

雨の降り続く路上でただ泣きました。
雨に溶けられるのならば、一生ここにいましょう。

こんな恥ずかしい母親はいなくてもいいでしょう。

この世界は汚な過ぎます。
子供の一人、幸せにすることくらい可能なはずです。
私がこの世界を変えてみせたい。

「変えます、ねえ……私がこの世界を変えられたら戻って来てください。私の下へ……」

ファルシード……」

全てが1に戻り、世界が始まった。
愛する子供達を愛する為に。
創造神ウォリスの誕生は全ての始まり。

子供達の見る、世界の始まり。

不幸者は生まれ変わる。
殆どの者は記憶を消せたのだが2人、消せなかった。
余程未練があるのでしょうか。
それもいいわね。

私好きです。
私が育てましょう、可愛らしい子供たち。
ずっと平和に暮らしましょう。

……あら?私の目的って……なんでしたっけ?

世界は、元に戻ってしまった。
そしてまた始まる。
闇に飲み込まれる世界が、運命通り進み始める。