ゴースト×ゴースト小説、時空の話。

僕は運動が得意ではないし、足も速くない。
ああ、もっと運動しておけば良かった。

でも全力で走った、今回限りは諦める訳には行かない。
助けるという言葉に頭が可笑しくなってしまったように。
僕は時計の秒針を見つめて必死に走った。

絶対に助けるって。
花は無理だと笑っているように見えてしまって。
でもそんな事無いっ。

一秒ずつ過ぎていく時間が恐ろしい。
必死で走っているうちに後5分、後3分、後1分…
なんて時間は過ぎ去った。

お願い、まだ時間を頂戴っ!
助けるって誓った。
だから待ってよ!もう一度お姉ちゃんの笑顔が見たいの!!

秒針があと30秒なんて笑った。
待って待って。
まだ……まだあと少し…っ

−お前に助けられるわけ無いだろう?

時計が嘲笑っているようだ。

後10秒……

−さあ諦めろよ!

後3秒……

「お願い待って!!」

「神様時間を止めて!!僕を隣の町へ連れてって!!!」

もう涙も出なかった。
辛すぎて涙が出なくて。

後一秒を刻んだ時計が残念だったなと勝ち誇った。

12時を告げた時、鐘が鳴り響いた。
頭の中で延々と鳴り響く時計。

「時間を戻して!嘘だ!嘘だぁ!!!」

狂ったようで、夢のようで、恐ろしくて。

猛獣の唸り声。
僕を睨むような鋭い瞳。

「ああああああああああああ!!!!」

ゴメンねお姉ちゃん、助けられなかった。
僕死んじゃう。
もしかしたら一緒に死ぬのかもね。

あはははは……

遠退く意識は姉を映し出し、僕の命はそこで尽きた。


−後書き−
うん、こんなこと覚えていたくないな〜…
怖いよネ

時空神の誕生の話を終え、創造神の話が終わる。
しかしこの物語に隠された秘話が明かされる。
それは全ての始まりだった。
そして緑神によっての自然の地アルゲイドも誕生した。

次回もお楽しみに!