ゴースト×ゴースト小説、花の話。
『今日も良いのを捕まえたなぁ』
ゴースト達がそう言って笑いながら去っていく。
早く助けに来てくれと弟に願うばかり。
運悪く、今日は12時を過ぎると捕まった子供達全てが殺されるらしい。
後十分程度で殺されるなんて……。
そう考えると不安が込み上げ吐き気がした。
ただただ見つめるのはネリネの花。
花言葉は……
「また会う日を楽しみに……忍耐……」
こんな花を持っていたから捕まってしまったのかもしれない。
今度こそ涙は溢れ、視界はぼやけた。
暫くの間、花言葉をぶつぶつと呟き時間は過ぎてしまった。
耳を劈く様な悲鳴が聞こえる。
そして絶望に溺れる子供達の泣き声。
「もう死ぬの……?」
私も泣き叫びそうになった。
正常を保てず混乱する頭が怖くなる。
「お願いネリネっ!助けてよ!!」
花にただ叫んだ。
こんなことしても花は応えない。
ゴーストはやってくるし、もうどうするの!?
思い浮かぶのは弟の笑顔。
そして。
黒いフードを被った瞳の紅い少年がやってきた。
「嫌…っ嫌……!!!」
その瞳は悪魔のようで怖かった。
銃を構える容姿は私以上に幼かった。
でも、もう遅いんだ。
私の体を貫いた弾丸。響いた銃声。舞う血飛沫。
ゴメンね、死んじゃった……。
意識は遠退いた。
ああ、哀れな死に方をしたものだ。
花言葉が全て現実になればいいのにね。
「ゴメンね。」
黒い少年はそう呟いていた。
−後書き−
花言葉って面白いよね!!
あかねは好きです((
大好きな弟を信じ、待ち続けた姉。
しかし叶わない願いに絶望した。
花言葉が現実になれば………
次回もお楽しみに!