ゴースト×ゴースト小説、不幸の運命

生き別れになった幼い双子が居たらしい。

その姉は弟の平和を守ろうと暗闇の世界へ。

弟は姉を助けようと必死に地獄へと足を踏み入れた。

忘れ去られた人間の話。

その双子はとある世界のBAD ENDを生み出したんだって。

「どうしよう…」
ゴーストに追われた人間の双子は逃げていた。
それも今までに無いくらい必死で焦る思いが後から後から込み上げた。
「お姉ちゃん、僕捕まるよっ」
弟が必死の思いで呟いた。
「なんで?捕まるならお姉ちゃんの私だよ!」
姉は今にも泣き出しそうに声を震わせて言った。
「そんなの関係ない!僕達双子なんだよ?一緒に生まれたんだよ?」
足は止めぬまま、二人は暗い夜の森を駆け抜ける。
「だったら一緒に逃げようよ!」
手を繋いだままの為、お互いの手の力が強まるのを感じた。
「ダメだって!一緒には逃げれない!」
昔から粘り強い姉と諦めがちな弟に性格が分かれていた。

「だったら私が捕まる!」
姉はそんな粘り強い性格が災いしたのか今回は弟を守る為に必死になっていた。
「なんで!?ダメだよ!!」
弟も泣き出しそうに声を震わせ、叫んだ。
そう悲しむ弟に姉は一言こう言ったのだ。

「じゃあこうしよう?」

「私は今から捕まる、でも必ず助けに来てよ。」

「きっとすぐ近くの町、だから私を助けに来て。」

唐突だった。
驚きが隠せず言葉が出てこない。

差し出されたのはネリネの花。
僕にはその花言葉なんて、分からなかった。
お姉ちゃんは僕に隠れるように言ってゴーストの方へ走っていった。

必ず助ける、そう誓った僕は深呼吸をして落ち着いた。
しかしゴーストの言った台詞を僕は聞き逃さず、恐ろしいことを聞いてしまった。

『早くしねぇと門が閉まっちまうぜ。』

『そうだな、12時だっけか。』

そしてゴーストは言ったのだ。

『12時過ぎると猛獣やらなんやらが出てきて危険なんだってなぁ』

その言葉に僕は身震いをした。
だがゴーストはそう言い終わると消えてしまった。

時間は?
時計の針を戸惑うことなく確認すると刻まれていた時刻は11時48分。
もう時間が無いと、僕は怖くなった。

しかし姉の命は必ず守る。
そう決めた以上、逃げ出す訳には行かない。

「大丈夫さ……落ち着いて……」

秒針が僕の命を削っている気がした。


−後書き−
とある双子のお話です。
BAD ENDの予想は出来るんじゃないでしょうか。

差し出された花は約束の花。
しかしその意味などわからずに、ただ姉だけが知る真実。
時計の秒針は動き続ける………

次回もお楽しみに!