ゴースト×ゴースト小説、水の話。

一面、火。
焼け焦げた匂いはもう感じない程にして、ヒトも死んでいた。

「暑い……」
朦朧とする意識の中歩き続けた。
倒れてくる木材を必死に避けながら歩いたが体力も限界に近かった。
「みんな生きてるかな……」
息は荒い、喉が焼けそうに空気は熱い。

もう此処から抜け出せないとも考えた。
自分は方向音痴だし、忠告を破った罰も含めて…。
「神様……」
謝りたかった。
何度も謝るからあたしを生きて帰らせて。

「神様ごめんなさい、謝りますっ…だから…お水を下さい、あたし……死んじゃいます……」

ゴーストは至る所で騒いでいるし、怖い。
でも、みんなに会いたい。

そう、ぼーっと考えていた所に、
「きゃっ!」
火の燃え盛った柱が倒れてきた。
あたしは避けることが出来ずにその柱の下敷きになった。

「うぅ…暑い……重い……」

不幸だな、とそう感じた。
あの時黙って言うこと聞いてお家に居ればこんな事にはならなかったかもしれない。

あたしはみんなの笑顔を想いながら目を閉じた。


−後書き−
はい、短いかも((

一人欠けた友達。
しかし、同じ時間で誰もが不幸な目にあっていた。
次は氷の話、弱気な少女の願いは?

次回もお楽しみに!