ゴースト×ゴースト小説、世界への手紙

今だ、今しかない。

天空に向けて僕は銃を撃ち放った。
高い丘の上では、空もとっても近い。

するとその直後薄暗い雲をひび割るように凄まじい雷光が走った。
「イングリーネ……感謝するよ。」
そう小さく呟いて僕は微笑んだ。
−ああ、頑張れ!今からお前の勝負だ!!
なんて小さな、心強い声援が響く。

そして、大きく息を吸う。
轟いた雷鳴に僕の声を乗せる為……
届け……!

「聞けぇぇぇええ!!!」

もう出ない位、大きな声を出した。
その声に続いて、雷も轟く。
きっと残り僅かな神達に届いているだろう。

「この戦い、ウォリスには勝てない!!」

「こんな運命変えられない!!!」

もう素直に言う。全て叫ぶ。
これが僕のやり方だ。僕に似合うベストだ。

「犠牲者っ…!リザリス!ルクレツィア!グランディーネ!ノルヴェランス!イングリーネ!!」

もう喉が痛いくらいだけど。
でもまだ言うんだ、言わなきゃならない。
イングリーネだって応援してくれてる。

「僕達の為に犠牲になったんだ!!」

「イングリーネだって!!!」

そうさ、誰もが僕達の為に犠牲になったんだから、感謝しなきゃっ!
もうなんだか泣けてきてしまうけど、諦めないで………っ

「負けたっていい!大切な人が死んで気付いたでしょ!?」

「これから変えればいい!!人間が創造されても、十分やり直せるよ!!」

落ちて来ない、上空でうずうずしている雷が「頑張れ」と背中を押してくれているようで。
僕はイングリーネを想って言う。
まだまだ叫ぶ。

「みんな目を覚ましてっ!!!」

そう叫んだ後に雷鳴も物凄い音で轟き、雷光も凄まじかった。

「僕の役目、終わりかなー……」

涙が溢れてしまう。
空を見上げればいつでもイングリーネが居る。そんな気がした。

そんな時、
「余計なことしないでよ。」
強風と共に現れた、少年。

雷光が少しだけ起こった。
−逃げろっ!
イングリーネはそう言ったけど、僕は振り返りもしなかった。
別にもう死んだっていいし。
「怒ってる?」

−おい逃げろよ!!

「勿論。お前みたいな奴、消えればいいのに。」

「よく言われるかも」

そう言った後、強風が背中を押した。

−デヴィーセ!!

イングリーネが叫び、雷光が走る。
僕はその風に操られるがまま、崖から落ちた。


−後書き−
この二人が協力することになるとは誰が予想したことでしょうか((殴
あたしも案外びっくりしてますw

運命のこと、自分の意思、ウォリスに立ち向かうこと…
全てを叫んだデヴィーセ。
そんな彼を殺そうと試みるのは風神セラセードだった。
イングリーネは逃げろと忠告するがデヴィーセは反抗せぬまま崖から……

次回もお楽しみに!