ゴースト×ゴースト小説、神話ヒーロー
「ねえ、君は本当に僕に協力してくれる?」
薄暗い雲を見上げる。少しの雷の予兆。
−約束だろ?俺はきっと味方だったなんて思われねぇけど。
脳に直接響く声。聞き慣れたイングリーネの声。
「僕が変えてみせるよっ!悪者扱いなんて……」
前には感じなかった気持ちが、今は溢れ出すように湧いてくる。
イングリーネだって辛かったはずっ…。
−俺が救われて何になる?いいさ、この世界が平和になるなら。
それはどこか優しくて、急に切なくなった。
僕は何もしてあげられない。
いつの時でも僕は平凡過ぎて無力過ぎた。
この時間で僕という存在の意味を変えたい。
そう、思った。
「僕じゃ出来ないのかな……っ」
どうしようも無く苦しい気持ちになって。
瞳から溢れ出す、雫。
僕が涙を流してる………!
−……泣くなって。泣いても希望は見えない。
−それにいそがねぇとまた誰か死んじまうかもしれねぇだろ?
−さあ早く!強くいこうぜっ!
次々と並べられてゆく素敵な言葉の数々に僕はあんなに流せなかった涙を大量に流した。
響く言葉がありがたくて。心強くて。
「ありがとうっ、じゃあ、行くよ。」
−おうっ
涙を袖で拭って空間を操った。
僕達の向かう先、それは間違いなく希望と言う道だ。
雷鳴が鳴り響いた。
−後書き−
さあ救いの勇者が来ましたよ!
そろそろ展開が変わってくるかもしれませんっ
イングリーネと実行する作戦とはただ伝えるということ。
デヴィーセが今までくだらない未来を見てきた全てを想って吐き出す時。
敗北を覚悟した勇者達の言葉が今届けられる!
次回もお楽しみに!