ゴースト×ゴースト小説、出会いと悲しみ

「セラだっ」
白銀の長い髪が太陽に輝いていた。
「あはっ!会えたやん!」
カルルは瞳をキラキラと輝かせてセラセードに近付いた。

「炎神…カルル?」
セラセードはきょとんとしてカルルを見た。
「そうそう!覚えとってくれたんやな〜!ウチ今ファルと一緒に行動してんねん!」

カルルは表面上とても元気そうだがきっと内心はヘコんでいるんだろうとファルシードは考えていた。
実際誰一人として明るくは無いだろう。
「そうなんだ、ファル…探してくれたの……?俺のこと…」

しかしファルシードは虚ろな瞳のままじっとしていた。

「……ファル?」

カルルもそう心配して声をかけた。
するとファルシードはふらふらとセラセードを抱きしめた。

「ねえセラ……嫌だよ……っ」
そう小さく呟く。
カルルもセラセードも、ファルシードのことをただ心配そうに見つめた。

その瞳からは紅い涙を流していて。
「……殺しちゃった……ルクレツィア。」
その言葉に、セラセードは目をまるくした。
だがすぐにその瞳を細めて、
「…あはは、そうなんだ。」

そしてセラセードは一呼吸してから、続けた。

「実は俺も。」
なんて。
「実はさ、ファルもカルルも、殺そうと思って。」

………え?

何で?あんなに優しくなかった?
控え目で、内気で。でもどこか素敵で。

ねえ、何で?

その瞬間、涙も吹き飛ばすほどの強い風。
「……………セラ……」
涙が止まらなかった。
こんなにも苦しいんだよ?
裏切られるのって……とっても辛いんだ。
「ファル!!しっかりして!!」
カルルの声。また、ありがたい僕への声。
でも、もうその言葉も聞いてられないほど…

悲しいの。

視界が真っ暗になって。
僕は倒れ込んだ。

セラの楽しそうな笑い声が聞こえる。
僕の意識はそこで途絶えた。


−後書き−
はい←
「奥が深くてややこしいぜっ」
はい、分かってます((
いやでも自分で書いててなんだけどファル可哀想だわ((
元からそういう設定でつくったけどね

裏切りに裏切り。
邪神ファルシードの心はその言葉に犯され壊れかけていた。
勇者が行動を起こすまであと数分…。
二人は殺されずに済むのか……

次回もお楽しみに!