ゴースト×ゴースト小説、真の優しさ

「ねぇファルシード!」
後ろから無理に明るくしたような声が聞こえる。
「…ファルでいいよ。」
僕も無理に笑った。
その表情にカルルも困っただろう。
でも彼女も笑った。

「あ…ファル、セラセードに会いに行かん?」
気分転換に、とでも言いたいんだろう。
気を使ってくれるカルルにはとっても感謝したい。
「そうだね、セラも一人にさせちゃって辛いかもしれないし……」
色んな事が一気に起こって、内気な彼を一人にしたままだった。
大丈夫かな、セラも誰かに殺されてなきゃいいけど…

「じゃあ探しに行こっか。」
手を繋いで歩く。
僕はまだ頭の中が整理できていないままだった。
ぼんやりとした視界がいつまでもルクレツィアの笑顔を映す。

どうして、最期まで笑ったの?
どうして、最期まで叫ばないの?
どうして、助けてもらおうとしないの?

ああ、頭が痛くなってきた。
でもカルルに迷惑かけちゃうな。
我慢しよう……。

そうは思ってもなかなか頭痛って治まらないものだな。
なんていうか…いつまでも響くって言うか……。

「ファル?大丈夫っ?」
その言葉でハッとした。
そうだった、僕は彼女を守らなきゃ。
「大丈夫っ、平気さ!」
こんなことしてられない。
誰かをこの破壊と闇の力で守ること、それが僕の役目。
……そう信じたい。

「でもあんなことがあった後やもんな……体調崩すのも無理ないで。」
そう言って、彼女はまた僕を元気付けるように笑顔で言った。
「あんまり無理しちゃいかんで!辛くなったらいつでも言うんだよっ」
カルルも辛いはずなのに、本当に感謝するよ……

「ありがとう」


−後書き−
ファルもやっぱり信じられる人が居ますね!
カルルとセラはファルにとって大親友なのかも。
そして100日突破したwダイアリーw
51日間継続中だそうです((

セラセードを一人にしてしまったこと、ルクレツィアを殺してしまったこと…色んな事を悔やむファルシード。
しかしカルルは仕方ないと優しくしてくれた。
そんな感謝の気持ちを胸に、大好きなセラセードの下へ向かうのだが……

次回もお楽しみに!