ゴースト×ゴースト小説、最期の雷鳴

「裏切ったのですね、イングリーネ。」
俺は必死だった。
檻の中に無限という名の時間閉じ込められていた獣神レイマーネと聖神スターリアを助け出す為に。

ウォリスの創った檻は確かに頑丈で、誰にも壊せないくらいだった。
今グランディーネが捕まってるのも事実。
「ウォリス……」
笑えてしまう。俺が此処に居るってバレたこと。
「罰として、永遠の闇を彷徨いなさい。」
それはとても綺麗な笑顔だ。
「いいのかよ、優秀な助手を殺して。」
俺はまたニヤニヤと笑った。
あーあ、この顔も飽きたな。

こいつは他人の命を奪う事なんて容易いんだろう。
「イングリーネ君逃げてっ」
「そうだよっ、あたし達のことなんて放っておくべきさ!」
彼女達は俺にそう言い聞かせる。
だがそういう訳にもいくか、誰もが幸せになる世界をつくるんだ。

「貴方を殺すことに関しては、私全然戸惑いなどありません。」

そういうと彼女は笑顔でナイフを何本か創り出した。
「イングリーネ逃げるのさ!」
スターリアの声が響いた。

「死んでやる……だが今に見てろよ、必ずこの俺が……」
そう、誰にも聞こえない声で呟いていた時、飛んで来た何本ものナイフ。

正直こうなる事なんて分かってたのかもな。

「イングリーネ君!!」
レイマーネの声も綺麗に響いた。

そんな中で俺は言う。この言葉を。
絶対に言いたかった、世界への台詞を。
これが最期なら言ってやるぜ。俺がずっと望んでた、馬鹿みたいな夢。

運命なんて圧し折って、王者になってやるから…!

そして、突き刺さった刃の感触。
痛苦しい、何とも言えない感覚。

俺はそんな中、目を閉じた。

そして最期の雷の轟きを、必死の想いで響かせた。
とても苦しかった、痛かった。
でも響かせたかった。

俺の想いを…………

最期にこの世界がもしもこの雷鳴で変えられるなら………!

−後書き−
此処でようやくモブに近い神様達g((殴
彼女達が目立つ予定はありません((え

ついにウォリスにばれてしまった救いという行い。
それはウォリスにばれてはならぬ禁断の行為。
罰として殺されることになってしまうが、彼は必死に雷という力を使った。
彼は報われるのか?

次回もお楽しみに!