ゴースト×ゴースト小説、crazy time

五月蝿い、時計の秒針。
五月蝿い、僕の銃声。
五月蝿い、刃の交わる音。
五月蝿い、心臓の鼓動。
五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い………

戦に出たくなかった、ただそれだけ。
殺したくなかった、とても面倒臭い。
会いたくなかった、話したくもない。
見たくなかった、彼女が犠牲になるところを。

あああああああ。
どこでなにが狂ったんだろう。
いや、狂わされたんだろう。
僕の生きる道、まるでもう何も無いみたいに僕は抜け殻。

彼女に仕返しだなんて銃で一発撃ったくらいじゃ彼女は死なない、苦しまない。
戦に近付く度、僕の中で何かが壊れていく。
何かが破裂に近付いている。

こんな争い、一体何の意味があった?
そもそも敗北の運命なんてあったら、死ぬしか無くない?
それって怖くない?怖いよね、誰だってそう。
僕だって怖いもん。

敗北に導かれてもその中の運命は決まっていない。
そう、敗北に導かれるまでは何をしようと勝手。
だけどその敗北と言う器の中を勝利の兆しで埋めようと、最後は必ず敗北なんだ。

どうしてそんな最後だけ決められるの?
どれだけ僕達が頑張って生きてるの?
なんで悪足掻きなんて言われなきゃならないの?

『そんな運命壊したい』

それ以上に無理な願い事を流れ星に頼んだことはあっただろうか。
無いよ、僕はそれ以外に何も求めないし求めたところで似合わないから。

「もう時間が無い……」

時間なんて戻せばいいし進ませればいい。
だけどそんなことしたって何も変わらない。
運命は決まってる、ウォリスが誰の許可もなく定めた。
戻して何をしようと何にも変わらなかった。

時計の秒針は僕に語った。
『お前は今何をする?怖いなら勝手に未来へ逃げよ。勇気があるなら自分の在るべき姿へ戻れ。』

もう壊れそうな、どうしようもなく止まりそうな秒針がぐるぐると回り始めた。

「僕は……時空神。」

『守りたければ時空を信じよ。』

そう語った時計。
僕は触れた、すると時計は一瞬で壊れて散った。
どうして何もかも無くなってしまうのかと、嫌気がさした。

しかし時計が壊れたその後に、彼は『在るべき姿』へ戻っていた。
神秘的な衣服、それは神の世界に相応しいモノ。

「……どうして……」

−私の代わり、あなたが守るの。全ての時空を……。

「全ての……時空……」

彼は気付いた。

青い薔薇の花言葉
奇跡、神−リザリス−の祝福。

そして、不可能、有り得ない。
だけど、そんなの僕が触れて壊せばいい。

「僕は時空神、ウォリスの運命を壊す者だ。」

少年は「仮」の笑顔を壊した。
『在るべき姿』は破壊の先に。

「僕に似合う全てを。」

彼はそう強く笑った。

ー後書きー
はい!ちょっと張り切って書いちゃいました((
あかねデヴィーセが一番好きだったりするんです((え

ついに目覚めた時空神デヴィーセ。
彼を救ったのは狂った時計、とある犠牲者、青い薔薇………
少しだけ自分に似合うということを信じられるようになったデヴィーセ。
彼がこれから起こす行動とは?

次回もお楽しみに!