ゴースト×ゴースト小説、残酷な神話

「……手加減しないからね。」
ファルシードの力は誰よりも強力。
本気を出せば、あっさり殺してしまうだろう。

「私、死ぬのね。」
ニコッと少女は、ルクレツィアは笑う。
「…いや、死ねないんだよ。永遠の闇で苦しむのさ。」
正義という輝きを捨てきれないファルシードはそんなことを語った。
それにルクレツィアは優しく微笑む。
「私神だったわ。じゃあ、苦しみます!」
そうだった。
いつでもみんなは笑顔を捨てない。
みんな……輝いてた。

ーもう見てられない……

どうして?目の奥から………

これは……幻?
現実なら……現実…なら………

「僕が悪いのっ!!」

そう叫ぶ。自分を壊してしまいそうなほどに。
それと同時に何もかも破壊する力を発した。

「なんでこんな………っ」
カルルは泣いた。その残酷な運命に。
ファルシードは呆然とした。
その闇を放った手を無表情で見つめて。

そして倒れ込んだルクレツィアを見て黙り込むのだ。
少女の声は、
「ゴメンねっ…!ウチのせいで!!」
そう、震えていた。

「ルクレツィア……この罪は償えないなぁ……」
あはは、と彼は笑った。

…この瞬間から、邪神ファルシードは壊れてしまったのかもしれない。


−後書き−
はいっ、ついに一人犠牲者が出てしまいましたね……。
えっと神様って死なないんですが、この小説内では闇の中で永遠に苦しむことを、死ぬ、殺されるとしますね。
よろしくですっ((

ついに力尽きた最初の犠牲者、ルクレツィア。
彼女は最期まで笑顔を浮かべた。
儚いその運命にウォリスは何も思わないのだろうか……。
一体これは「仮の運命」なのかそれとも「真実の運命」なのか……。

次回もお楽しみに!