ゴースト×ゴースト小説、陰の苦しみ

「何がしたくて僕を殺すの?」
ファルシードが、真剣に、それでも面倒臭そうに、イングリーネに問う。
「邪魔だから排除するまでだ。」
睨みつけるその瞳が何を語っているのか、ファルシードには分からなかった。
何も分からない自分に苛立ちを覚えるくらいに。

「君は操られているの?」
紅の瞳は少し心配そうにイングリーネを捕らえる。
「操られているだと?馬鹿にしてるのかクズ。」
黄色の瞳は、忌み嫌う黒の少年を睨み付けたまま。
「僕を殺そうとする、君自身の理由は何?」
真実を知りたがるファルシード。

「嫌いだからだ。」
少し、雷の轟く音が収まった。
「それは君の想い?」
ファルシードがウォリスを深く愛していたのは真実。
ウォリスを知っているからこそ、ファルシードはウォリスを疑う。

「お前が何を知ってる…」
その声音が震えているのを、ファルシードは逃さない。

「お前が…お前さえ居なければ…」
その雷の力が、格段に強まった。
イングリーネの怒りは、この世界を呑み込もうとする。

「この世界は…平和だったのに…!!!」

その悲痛な叫び声が雷と共にファルシードの耳に届いたその時、

響き渡った銃声。

「ぐ……っ」

大地に崩れるイングリーネ。

イングリーネの倒れた陰から見えた姿。

「その台詞は…まだお預けかな。」

神を想像させない、少年だった。

−後書き−
どうもー
大人数の出てくる小説って苦手です…上手くかけないし…

黄色の瞳に渦巻く闇。
創造神ウォリスに運命を奪われた雷神イングリーネ。
ファルシードは真実を暴こうとイングリーネと戦うが…響いた銃声に真実を隠されてしまう。
拳銃を両手に構えた時空神デヴィーセの行動に驚きを隠せない邪神ファルシード。
一体デヴィーセは何を思うのか…

次回もお楽しみに!