ゴースト×ゴースト小説、散る花

「リザリス…」
長い間走った。
聖域の花畑まで、長い間。
その美しい花畑の真ん中に立っている金髪の少女がリザリスだった。
「セラセードくん…どうして来ちゃうの?」
長めの髪の毛がふわりと風に舞う。
優しく微笑むその笑顔は花そのものだった。
青の瞳も、輝いて。
「犠牲なんて…どうして…?」
涙を零す表情。
リザリスはセラセードの全てを愛した。

「私が犠牲になっても…あなたとは繋がっているもの。」

その言葉は、何故か綺麗に響く。

「前にあげた薔薇の花。花言葉は…あなたを愛しています。」

「愛していれば繋がるの。私はそれだけで大丈夫。」

太陽を反射する金髪は、もう花に溶けてしまいそうに儚く。

「でもそんなの…君には会えないよ…」

その小さな声に、少女はまた微笑む。
沢山のガーベラが意味するのは、神秘的な美しさだ。
それは彼女を意味する。

「会いに行くよ、私が必ず。」

青の瞳が強く、優しく、少年を見つめる。

「そんなの無理だ…」

「私、もうあなたしか見えないの。」

それはブーゲンビリアが好きを意味した。
何もかもを花に語られる少女は、どこか切ない気もした。

「会えることを誓うよ。」

「今、スターチスの花に。」

彼女の手に握られている美しい花。
白色のスターチスの花を彼に差し出した。

「必ず、会おうね。」

「約束。」

少女が笑った。

スターチス花言葉は……

変わらない誓い