ゴースト×ゴースト小説、美しき救世主

黒と白の二人が出会って大分経った。
人間が創造されるという噂の中、二人は常に一緒に居た。
幼い精神の彼等には友達がとても嬉しかった。

そんな時、
「逃げて!!」
水の神、グランディーネが声を荒げて飛んできた。
彼女はファルシードも信用している。
ウォリスが嫌いという共通点もあり、すぐに打ち解けていた。
「どうしたの?」
そうファルシードが言う。セラセードは瞳を隠しつつ、話を聞く。
そしてグランディーネが二人に話す。

「あの創造神と雷神があたし逹を殺し合いさせようとしてるのよ…」

透き通った青い瞳を細めてうつむいた。
「ファル逹も早く逃げてっ!」
何て言うのだが
「どこに行ったって追ってくるよ、あいつら粘り強いし……」
それが心配でならなかった。
その声にグランディーネは頼れる笑顔を見せた。

彼女はこの神の世でもお姉さん立場であり、沢山の者達の救世主となっている。
「なら、あたしに付いて来なさい!いい手があるのっ」
と、胸を張って言う。
ファルシードとセラセードはお互いを見合い、不思議そうに首を傾げた。

「大丈夫、あたし達の計画、教えてあげるわっ」
グランディーネは得意げにウインクし、透き通る羽で飛び立った。

ファルシードとセラセードは好奇心を膨らませ、少女の後を追った。