ゴースト×ゴースト小説、探すべきモノ

「…泣いてるの……?」
目の前でしゃがみ込んで、優しく語りかけてくる、白の風神。
「…セラセード…だっけ……」
神と言う存在は、お互いの存在を殆ど把握している。
「…うん…セラでいいよ、面倒でしょ。」
なんて、笑顔も見せずに言った。
僕は、彼が笑ったところを見たことがなかった。
というよりも、気安く顔を見せないし、他人に近付くことがないという不思議な性格をしていた。
「…人間、創るんだっけ…」
セラセードがファルシードの隣に座る。
すると、風が優しく吹き抜け、セラセードの白銀の髪を揺らした。
自分と同じ、妙に目立つ紅の目が見え、驚いた。
「目、おんなじだね。」
ファルシードが自分の目を指差して笑う。
しかしセラセードはビクッとそっぽを向いて顔を隠す。
「……見ないで……」
小声で放った。
「…?変じゃないよ…?」
ファルシードはキョトンとしてから微笑む。
「……否定されるの…この目……」

「…一回優しくしてくれても…目を見れば……逃げてく……みんな……」

つらそうな顔をするセラセード。
ファルシードはこれもウォリスのせいだと恨みを深めた。
「…そんなこと二度とさせないさ、僕が守ってあげるよ。」
純粋に、そう思った。
ウォリスのせいでつらい思いをしてる奴が何人も居る。
許せない。僕といい、セラといい。

「……消してやる……」

そう、小さく呟いた。
セラセードは気付いていない。
「僕も否定されてばっかなんだ、だから…友達になろう」
初対面でも、彼となら心が通じ合う気がした。

「いいの…?」
少し驚いた様子で紅い瞳が覗いている。
「勿論!仲良くしようっ、ね?」

「うん…!」

少年は温もりが欲しかった。
ただ無くしたタカラモノを、心の奥底で、探していた。

光の為に深い闇を彷徨いながら。