ゴースト×ゴースト小説、儚さの無限。

大事だった。
あの子が誰よりも。

可愛くて、素直で、強くて…
私が望む理想だった。
でも私は裏切ることになった。
彼は邪神、私は創造神。
元々敵同士で生まれた哀れな二人。

私が創ったのに。私が想いを込めたのに。
裏切った。

『ゴメンなさい…ファルシード。』
『待ってよウォリス…何で今になってこんなことするのさ……』

彼の表情は絶望そのものだった。
闇を与える時が来た。
少年を闇に呑み込む日が来たの。
光に満ちていた少年が、無限の闇へ突き落とされる。

少年が大切にしていた温もりと光。
それを闇へと吐き出した。
いつか私を殺す闇へと。

『嫌だよ…敵になんかなりたくないよ…』

『ウォリス……っ』

少年は恨みを覚えるだろう。
温もりがなくなって、冷たさだけを覚えることになるのだから。

『私をいつか殺しなさい…、その時まで…』

殺されるその時まで……

貴方の温もりを、探すから。