ゴースト×ゴースト小説、神の解放

「わっ……凄い……」
出来た……、有り得ない……。
「ホントに、一緒になっちゃった……。」
何かの夢だろうか。
でも、もし夢でも、出来ることはやろう。

まず、この光の世界から出るんだ。
「じゃあな、俺。」
眠りについている俺を見て、そう言う。
楽しくなって来た。笑顔がこぼれる。

体が軽い、あんな重いものが全部ない!
「面白い……!」
あ、でも苦しいからあんまり走れないね。
「でも……、ここを出るくらいまでなら、大丈夫っ」
そう思って、一直線に走る。
風は強いけど、全然平気。

数分走って、光の闇から逃れた。
「はあ……はあ……」
疲れた。でも楽しかった。

初めて見る外の世界。
草が風に揺れている。
それは強風ではなく、穏やかだ。
「凄いんだな……」
あんな、つまらない世界ではなかった。
ー人間様に会いに行こう!ー
そんな声が聞こえる。
笑顔の主が笑いかけたんだ。
「そうだな…、楽しい…な。」
そんなことを呟いてしまうほど、笑顔の主は声を弾ませていて、前に進もうと思えた。

「でも、まずはお前探しに行くよ。」

風に背中を押されて、俺は前に進んだ。

あの、華を探しに。