ゴースト×ゴースト小説、神の出会い

母さんが居ない。
父さんも、どこを探しても居ない。
その内に迷子になって、変な所に来た。
光が眩しくて、酷く神秘的な場所に。
風も強い。
立っているだけでも疲労が襲って来て息が上がった。
でも、歩いた。
馬鹿だな、何もないって分かってるのに。
「けほっ……」
その内、発作が襲ってきて。
力が入らなくなった体を風が煽る。
そして、倒れ込んで……。

まさか此処で死ぬ?
そんなことはないはず。
よっぽど神様に嫌われていなきゃね…。

何て考えて。
でも、少年はまさか本当に神様に救われるとは考えて無かったんだろう。
偉大なる風神様に助けられるなんて。

「……人間…?」

思ってもいなかったんだろう。

「どうして…人が………」
鎖の絡まった体をずるずると動かす。
邪魔な髪と服と鎖が重い。
人に触れる。
そうとう苦しそうだ。
どこか自分と似ている。
似ているなら…一緒になれるかな。
一緒になって、動く、動ける、そうだろ?
「そしたら…何か見つかるだろ…?」
でも、出来る訳無いだろ?
俺にそんな力ないんだ……。
「…でも……あの…笑顔は……」
脳裏によぎる笑顔の真実が知りたい。
「できない……かな?」
手を握ってみた。
冷たい。風のせいだろうか、相当寒いのも分かる。自分はそれを我慢していただけ。
「……助けて…くれるの…?」
うわっ、喋った……。
「そんなの…動けないし……。」
高鳴る鼓動。緊張だ。
「そっか……。」
……どうしようも無いし…。
一緒になれたらな。
なれたらな…、良いのに。

そんなことを考えていると、突然何も見えないほどの強力な輝きがあった。
何だろう、眩しい。

「……!」

溶けるという、感覚を知った。