ゴースト×ゴースト小説、神の世界

「火だね…」
人間の世へついた時、二人が見たのは真っ赤な炎だった。
「か、帰ろうっ、危ないよ!」
セラセードは焦るのだが、ファルシードは一切心配もせず、歩いていくのだった。
「何があったんだろ」
高い声で呟いて、早足で進む。
「あああ……」
その力強い手の力にセラセードは引っ張られて行った。

邪神は何も恐れない。
でもその瞳は小さな子供そのもの。
純粋に、ただ前を見つめていた。

そして、風神は弱気だ。
地に着くほどの白銀の長い髪で白い肌を隠し、紅い目を覗かせた。
しかしその目は後ろ向き。

「大丈夫だよ、セラ。僕が居る。」
「ファル……」

手を引き、引かれ、
信じ、進んだ。
少年達はそれで強く生きようとした。

そして火炎の中から見えたもの。

「おい、お前達!」
「……?」
「えっ……?」

…地獄の始まりだった。