ゴースト×ゴースト小説、神の運命

「ねぇ、人間様と遊ぼうよ」
「えぇ・・・でも怖いって聞くじゃん。」
「大丈夫だよ、二人一緒じゃないっ」
大丈夫、きっと二人なら。
邪神、ファルシード。
風神、セラセード。
二人は仲が良かった。
幼い容姿のファルシード。
少し大人しいセラセード。
そんな二人は相性が良かった。
まだ幼い二人は人間と会うことを夢みていた。
ただ、どんなことも好奇心。
一緒ならなにも怖くない。
人間は神を恐れ、信仰する。
神は人間を恐れ、運命を与える。
そんな関係の内にある人間との関わりを求めた神達。
「さあ行こうよ!」
「すぐ帰って来ようね…?」
すぐ、誰の許可も無く、彼らは人間の居る場所へと飛び出した。
「セラ…人間、いっぱいだね…!」
「ファルは……怖くないの?」
「大丈夫だよ、平気っ」
どんな時でも、手を引くのはファルシード。
後ろで引かれるのはいつもセラセード。
そして、最後には笑う。
だが、彼らはその運命を見忘れた。

残酷で、最も悲しき運命が待っていることも知らず。

彼らは笑顔で人間の世へと飛び出すのだ。

二人なら敵など無いと、

笑うのだった。

ー来るんじゃ無かったね……

「……?」
ファルシードが振り向いて、セラセードが不思議そうな顔をした。
「何か言った?」
「…?何も……」
「そっかっ」

忠告を無視して走り去る少年達。

…とある神達が狂い出した。