ゴースト×ゴースト小説、二人の目

「残念だな、結局君の目も恨まれるようになってしまったなんて。」
「悪かったな、世界を救えるような強さはないんだから・・・。」

「でも・・・、俺は信じているよ。何があってもね。」
「頼りすぎも程々にしろよ、弓使いさんよ。」

「やだなぁ、目が悪いこと知ってるじゃないか。」
「それを理由に逃げるのは良くないんじゃないか?」

「君に言われたくないよ、逃げてばっかりの君に。」
「あーあ、完全にいじめっ子に染まったんじゃない?」

「そんなことないさ、元々性格はこんなだよ。」
「よく言うよ、優しい優しい人気者が。」

「なんだよ〜、嫉妬してんの?」
「昔っからしてたけどなぁ色んなヒトに。」

「でも今になって恨んでも仕方ないじゃん。」
「知ってるよ、そんなこと。」

「とりあえず君はさぁ、その性格なおしたら?」
「この性格?」

「そう、何て言うかその強がりな性格。」
「素直になれって?こんな憎まれる存在で?」

「あぁ、そうだよ。ひねくれてんじゃん」
「はっ、笑わせるなよ。嫌われ者が素直じゃ対抗心もクソもねぇし」

「ひねくれてる・・・」
「大体お前こそ裏あんじゃん?」

「そこは禁句でしょ?俺のことに触れたら負けだよ」
「うわ、最低っ」

「最低って!そこまで言わなくてもいいじゃんよ!」
「いやだよ、言うよ!」

「まぁいいけどさ。同じ憎まれる存在なんだから仲良くしようよ」
「何かそれもやだけど・・・」

「ワガママ言うな!同盟だよ」
「同盟?なんか子供っぽい・・・」

「えー結構大人な言葉じゃん、まあ何でもいいや」
「・・・うん、仲間がいるだけいっか。」

「そうだよ感謝しなよ」
「そっちこそ」


彼らは憎まれ、憎むそんな性格。
お互い根を見ればそんなに性格は変わっていない。
そして体質も。
彼らは同じ。似たもの同士。
そして見合う。
見て自分を知る。
儚く散った今の自分を。

―少年は死んだ―

一人の少年は運命の通りに。
一人の少年はただただ溺れて。

―これは永い時の少年達の話―

誰もが哀れむモノ
誰もが恐れるモノ
誰もが触れぬモノ

それが「二人の目」