ゴースト×ゴースト小説、神の視界の中で

憎いなぁ
これが運命だなんてね。
まるで神様が悪魔のようだよ。
いや、むしろ自分はそうとしか見ていなかったのかもしれない。
だって、自分を殺してまで一人の人間を不幸にさせるかい?
運命、定め、筋書き・・・・・・・
全部全部全部、俺たちを不幸にするためにあるんだ!
応援するさ、きっと彼ならこんなクソな運命捻じ曲げて平和な世界にしてくれる!
・・・頼りすぎかもしれないけど、頼るしか手が無いから・・・。

今、ゴーストになって大分時がたった。
勿論、目は死んだとき以上に悪くなっていた。
母さんは・・・見つからない。
どうせ自分手で探したって届きはしないさ。
探したところで目を合わせたら母さんと俺はお互いのことを忘れ・・・
家族であることも忘れて、サヨナラなんだ。
何を求めてきたのか、想ってきたのか

―忘れるんだ―

この呪いも、神が定めた運命によって自分と母を蝕んだ。
「神様に様付けは本当に勿体無いね・・・・・・」
何なんだろう、この怒りは。
今まで我慢していた笑顔を忘れない気持ちをぶち壊すような・・・。
「あああっ!!」
神なんていなくなれ!!
神なんて結局は調子に乗った馬鹿だっ
神なんて結局は人が苦しむことを見るのが大好きな最低な奴だっ
いなくなれ、いなくなれっ
「いなくなれぇぇぇぇぇぇえええ!!!!」
いっそ、この声が、想いが
神に届いてしまっていればいいのに。
「・・・大嫌いだっ、大っ嫌いだぁ!!」
今更何でこんなに後悔して、泣いて、怒って
馬鹿みたいだろ?
なぁ、神様?
そうだよな、哀れだよな!
楽しいよなっこんなヒトを見てさ!!
「もう・・・最っ低だよ・・・」
そうだよ、こんな時は嫌でも笑わなきゃね。

俺は元気でいい子なんだから。

もう一度死ぬまで、自分はこの体で生きていくんだから。