ゴースト×ゴースト小説、ココロの目。

今思えば関わりなんて山ほどあった。
2人で勉強したことも、ノートを見せ合って笑ったことも、いじめられた時守ってくれたことも・・・
全部全部全部、思い出じゃないか。
俺はそれを自分の記憶から消そうと必死だった。
友達なんて居ても意味など無いと思っていたから。
彼はすごく気を使っていてくれたのに何も気付かないまま、
彼は死んだというのか。
最期に「ありがとう」と言った言葉の意味。
それは嬉しかったからだろう。
日々が楽しかったからだろう。
・・・自分と居ることが幸せだったからだろう。

彼の何かが欲しかった。
今まで何も出来なかった分、彼に今出来ることを探したかった。
この小さな心にあいた穴を埋めてくれるような、そんなものが欲しい。

その時に

久々に射した太陽の光が俺に教えた。
少年の髪飾りを輝かせて。
キラキラと光って
・・・・・・綺麗だった。
「・・・アルネス、俺・・・頑張ってみるよ・・・」
頑張るよ、だから。
「その髪飾り、俺に頂戴よ。」
反応なんてない。
ないけど、彼はきっといいと言ってくれたはずだ。
そう信じて、その髪飾りへと手を伸ばした。
触れれば何故かまた涙が溢れて。
「頑張るよ・・・頑張るから・・・・・・!」
止まらぬ涙が次から次へと瞳から溢れて溢れて。
その中で髪飾りを手に取った。
「・・・もう行くよ?」
太陽の光が祝福し、少年は少年に別れを告げようとした。
「じゃあ・・・ね、また会おうね・・・!」
涙の中、笑った。
あぁ、だからアルネスは笑いたかったんだ。
いくら辛くても、悲しくても、痛くても。
・・・こんな気持ちがあるから。
「頑張るから・・・・・・」
もう振り返らないように、走って走って。

そんな中で、彼は笑った。
優しく・・・そう、深く深く想いを込めて。

頑張ってね
彼なら大丈夫。
そう、信じて。