ゴースト×ゴースト小説、視えた地獄

町がゴーストに襲われた。
赤色に燃え盛る炎、青色が綺麗な空も今は灰色だった。
その影響なのか何なのか俺の青い髪はその時だけ好かれた。
巡って巡って逃げ回る人々を横目で見て溜め息をつく。
剣と剣がぶつかり合う音は毎回よく聞こえた。
ただ今回は異様に死人が多い。
今日はどれだけ人が死ぬだろうか。
大きな爆発の音が何度か聞こえ、その度嫌な予感がした。
そういえば人々が逃げて来たのも爆発音のした方からだった。
何かがおかしい。
その思いから、自然に足が動いていた。
大したことないよね?
きっときっと大丈夫さ……。
何故こんなにも汗が吹き出してくるのだろうか。
漂う血の匂いに吐き気を覚えながら歩き続けた。
「ちょっと、逃げた方がいいわよっ?」
赤髪の少女を無視して歩く。
歩いて歩いて歩いて、ようやくついたのは
酷く殺風景で残酷な景色が広がった大地だった。
「嘘……………」
風が吹き抜ける。
その風に血の匂いが乗って来た。
吐いてしまいそうだ。
沢山の死体の中で俺はあるヒトを見た。
そのヒトは小さくうめき声を上げていた。

「…あいつって…………」