ゴースト×ゴースト小説、人を見ること。

ある日見つけた茶髪の少年。
彼はどうやら目が悪いらしい。
彼はそのことを誰にも自分から言わなかった。
でもうまく隠せていなくて、ノートに書く字なんてぐちゃぐちゃに汚く、字は大量に間違っていたため、全く読めなかった。
週に一度は登校せず、しかし毎日元気に来た。
何かと不思議の多い少年だったが、自分は彼を見ているのが楽しかった。
楽しそうに笑うとき、失敗して苦笑するとき、優しく微笑むとき。
少年は常に笑っていた。
なのに一人だと必ず辛い顔をする。
みんなに見えているものが見えないと悲しそうな顔をする。
でも彼は決して泣かなかった。
すぐ泣く自分とは大違いで、悲しそうな顔をしていてもすぐに笑顔になった。
一日笑わない日も少なくない自分とは正反対。
すぐに現実から逃げる自分と正反対。
凄い人間だな…憧れてしまう程。
彼は自分のことを探られるのが嫌いだ。
特に瞳のことを指摘すると笑顔が消える。
まあ、コンプレックスとかそういうの指摘されたら誰だって嫌だろう。
でも、何か少し…少しだけおかしい気がした。
別に他人にそこまで見る程興味はないけど。
ただ暇なら見る、その程度。
ホントなら見てるだけで嫌気がさすけどアイツは別。

少しだけ日々に楽しみができた。