ゴースト×ゴースト小説、視界の中に。

母さんが俺を嫌がった理由、それは俺が将来失明してしまうかもしれないことだ。
生まれつき目の病が引っ付いてきて、どんどん目が悪くなっていった。
俺はメガネなんてかけないけども。
いや、かけても何故か視界がぼやけていたんだ。
俺が弓を武器に選んだ理由。
最初は弓なんて絶対無理だと思っていた。
やっぱりその予想は当たっていたけど。
狙いは定まらない、敵の立ち位置もあやふや。それなのに弓を選んだ。
理由は…母に帰って来てほしかったから。
きっと弓が上手く使えるようになったら母だって俺のことを認めてくれる。
自分が死んだ時に見た、世界を焼き尽くす紅連の炎、それさえもぼやけて見えた。
でもその恐ろしさを俺は忘れないだろう。
だからその恐ろしい光景と向き合う為にも俺は弓を持つ。
2つの理由の為に。


まあ俺の病は母さんが死神にかけられた呪いの遺伝だけど、その呪いの効果は口が裂けても言わないだろう…。