ゴースト×ゴースト小説、強き人間。

「よっしゃ!最高な発表だったぜ!!」
自分が学校で夢を語った時、友達が欲しいと語った時、大量の人数に笑われた。
思わず駆け出そうとしていたのに、一際大きな声で叫んだ少年がいた。
「アルネス」と言う、元気で声の大きな少年だ。髪を小さく右側に結び、少し短めの髪型。
誰しもが彼の言葉に沈黙し、笑うことを止めた。
「……君……」
「お前凄いぜ!!なあ、拍手しろよ!」
パンパン、とアルネスだけの拍手が響く。
徐々に増えていく拍手の音。
やがて自分にとって最高に過酷な授業が終わった。
みんながみんな自分とアルネスの噂だけして外へ出て行った。
「なあ、大丈夫だったか?」
ニコニコして近づいてくる馴れ馴れしい少年。
「うん…ありがとう。」
今の行動からしてアルネスがどういう少年なのか分からない。きっと心優しい少年なのだが。
「じゃあ俺はいくぜ!またなっ!」
そう言い終わって外へ走る。
彼は嫌われないのだろうか。
「やっぱり…ハーフだから……」
一人になってようやく涙が流れた。
種族の壁は恐ろしく厚かった。
そんなに違うのだろうか。そんなにおかしいだろうか。
これは差別とは言わないのだろうか。
このままではやられっぱなしで守られっぱなしだ。
「このままじゃ恥ずかしい……。」
あまりに自分が惨めで下を向いた。

「頑張らないと……。」

そう言って涙をこらえた。
逃げないように前を向いて。