ゴースト×ゴースト小説、紅色の想い

俺は何一ついいところが無い。
なのにあの少女は俺が素晴らしい人だなんて言う。
俺を無理に助けようとする。
俺なんかを助ける為に自分の命をも犠牲にしようとする。
助けて欲しいと、本当は心の底でずっと叫んでいた。
ただ、俺はある少女が死んでしまった時から、誰かに心を開くことなんて止めてしまった。
だから言えなくなったんだ…、人に自分のことを話す時に上手く言葉を見つけ出すことが出来なくなってしまった。
彼女には素直になりたいっ
…でも言おうとする度混乱して自分の正しい言葉から逃げてしまう。
「何か」に縛られて、異様に苦しい心が「素直になれ」と叫んでいるのに。
自分の考えていることすら分からなくなってしまったという合図ように、頭がガンガンと痛む。
言った方が楽なのか、言わない方が人の為か。
それは一人でしか悩めなかった。

本当の気持ちは一体何……?