ゴースト×ゴースト小説、海からの声を。

僕は間違っているのだろうか。
ヒトは、父様を奪った、憎い存在でしかない。
僕は父様に比較的人間に近いモノとして生まれた。
父様は天才だったらしい。
僕に欠点があるというなら、機械に近い声と、ヘッドフォンが無ければ生きられないこと。
「アリガトウ…父様…」
「僕は今、間違った生き方をしていて…何も分からないんです。」
海に向かって手を合わせると、父様と繋がることができる気がした。
「ヒトのココロは正義で満ちています。誰もみんな、それはイイコトというんです。ただ…僕はそうは思えません…」
「父様やミイナを僕と引き離したのは正義を名乗るヒトでしょう?」
「正義と悪は、どっちが本当のセイギなんですか?父様……」
毎日のようにそう海へ言うけど、答える声などないと知っている。
だからまたいつものように、こう言うんだ。
「なんてね、帰ろっか。クルリ。」
肩のあたりでふわふわと浮くおかしな生物に嘘の笑い顔をつくって。
背伸びを一回して歩き出す。
(機械なんて…結局生きてたところで迷惑なの?)
その質問は、いくら海でもできなかった。
誰かに聞かれていたら面倒だし、それに…
それに…なんだろう?
何故か言葉にできない気がした。
それは僕が消えたら怖いと感じているからかな?
「やーだね、僕人間みたーい」
また嘘の笑い顔。
あ〜あ、こんな自分おさらばしたいね。
でもその方法はもしかして、


壊れるしかなかったりするのかな?