ゴースト×ゴースト小説、涙の印
一人で生きていくなんて……
嘘じゃない?夢じゃない?こんなこと…
「我を置いて行くの!?ねぇ!!」
泣いてた。もう手を伸ばしたって、届かないよ……。
「行かないで!!ママ!!」
必死に叫んでいるのに、どうして?
いままでの愛は嘘なの?
「ねぇ…ママ……」
誰かに連れていかれる母の後ろ姿を、涙で霞んだ視界のな中で見つめて…
ー悲しい時こそ、笑いなさいー
母が我に言った言葉がよぎって。でも……
まだ、上手く笑えなくていいでしょ?
これから笑うんだ。
だから今だけ泣かせて…。
「悲しみを乗り越える力を手に入れるから…」
「ママが残した幸せを大きくして、みんなにあげるから…」
その涙の跡をいつか本当に消せるように。
微笑んだ、自分。
涙は頬を伝うけど、それでも今は笑うの。
「ハンターになる。みんなを幸せに出来るハンターになるから…待ってて、ママ。」
その言葉は風に消えたかもしれないけど…
きっとママの心に響いてくれたよね?
それはまだ、未熟なカリンの言葉。